HarmonyOS 2.0搭載スマホは、Androidアプリと一部互換がある
2021年9月現在のHarmonyOS 2の特徴を見ていきましょう。HarmonyOS 2 のスマートフォン・タブレットに搭載されたバージョンは、Fuchsia(Nest Hub向けOS)を含めたAndroidファミリーと、いろいろな意味で似ています。
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少なくとも、GMSを使用しないものであればAndroidスマートフォン・タブレット用のアプリケーションの多くが、HarmonyOS 2搭載スマートフォン上で動作するという意味では、よくできた互換OSです。
また、HarmonyOSは、Androidと同様にその一部がオープンソースとなっています。オープンソース版Harmony OSは“OpenHarmony 2.0 Canary”として中国のソースコードホスティングサービス「Gitee」上で公開されています。
このバージョンでは、カーネルとしてはLinux、HarmonyOSマイクロカーネル、Huawei LiteOSを利用できるマルチカーネルデザインを採用されていて、ターゲットとするハードウェア環境によって開発者がカーネルを選択できるようになっています。
ファーウェイは「HarmonyOSは、全てのモノがネットワークで接続された世界のための、分散型オペレーティングシステム」であるとして、開発ドキュメント中で下記の3つを特徴として挙げています。
・ハードウェアコラボレーションとリソース共有
このOSを搭載したデバイスは、システムレベルで統合されスーパーデバイスを形成します。これによって、機器間でのハードウェアの相互サポートやリソースの共有が可能になり、デバイスのハードウェア能力を柔軟にスケーリングすることができるようになります。
・マルチデバイス展開のためのワンタイム開発
HarmonyOSでは、一度開発したアプリケーションを、幅広いデバイスに展開することができます。HarmonyOSは、その分散技術により、様々なデバイス形態でのアプリケーション開発を可能にします。これにより、上位層のサービスロジックに集中することができ、より簡単で効率的な方法でアプリケーションを開発することができます。
なお、HarmonyOSのアプリケーション開発環境は、様々なプログラミング言語のAPIを提供しています。Java、XML、C/C++、JavaScript、CSSから選択可能です。
・統一されたOSによる柔軟な展開
HarmonyOSでは、異なる機能を持つデバイスのニーズに応えることが、単一のOSで統一しながら、かつ柔軟に展開することが可能です。デバイス開発者にとっては、HarmonyOSのコンポーネントベースのデザインソリューションは、リソース能力やビジネス特性に応じて、様々な形態の端末機器のOS要件に柔軟に対応できる大きな助力となるでしょう。
なお、HarmonyOSは、前述のように、様々なタイプ・メモリ容量・マシンパワーのデバイスに適応させる必要があります。そのため、HarmonyOSは、種類としては一つのOSですが、メモリ128KB以上の「Miniシステム」、1MB以上の「Smallシステム」、128MB以上の「Standardシステム」と、マシンパワーによって使用する構成を変えることが可能です。