アップルは昨年6月の開発者会議WWDCで、iPhoneがクルマの鍵になる「CarKey」機能を発表した。これは、BMW 5シリーズなどの一部の車両で、iPhoneやApple Watchをクルマのキーとして用いてロックを解除し、エンジンの始動も可能にする機能だ。デジタルの鍵であるCarKeyは、iMessage経由で他の人と共有し、期限を決めて利用させることも可能だ。アップルのデジタルキーは、iPhoneのバッテリーが無くなっても、最大5時間まではパワーリザーブモードを用いてクルマを解錠することが可能で、その後は、車内の充電ポートからiPhoneを充電することができるはずだ。さらに、この機能はApple Watchにも対応しており、エクスプレスモードを設定することで、iPhoneをポケットから出したり、Watchのボタンを押したりしなくても、クルマを解錠できる点が優れている。このように素晴らしい機能であるCarKeyに対応する車種が、さらに広がる見通しだとブルームバーグのマーク・ガーマン記者が、自身のニュースレター「Power On」で述べている。それによると、iOS 15のコード内のCarKeyに対応する車両のリストに、現代自動車のジェネシス(Genesis)が追加されているという。これまで、この項目に記載されているメーカーはBMWのみだった。ガーマンが関係者から入手した情報によると、CarKeyは今年の夏までにジェネシスでも利用可能になる見通しという。iPhoneを持ち歩いているか、Watchを装着していれば、クルマの物理的な鍵が必要なくなるCarKeyは、非常に便利なシステムだ。現代自動車からはまだ公式な発表はないが、ガーマンの予想が正しければ、今年のWWDCでアナウンスされるかもしれない。
David Phelan
最終更新:Forbes JAPAN