GamesIndustry.biz Japan Edition 日本政府はVRをどう使おうとしているのか? デル産業向けVRセミナーレポート キーワード テクノロジー関連記事 テクノロジー関連記事

沿って : Ilikephone / On : 30/12/2022

編集長:aueki

 2019年4月24日,デルは大阪府・コングレスコンベンションセンターで産業向けVRセミナー「BIM/CIMでVRやりまっせ」を開催した。これは,土木・建築など,非エンターテイメント系の業界でのVRの活用を促すために以前からデルが開催しているイベントだ。 念のために説明しておくと,BIM(Building Information Modeling)というのは,建築物の3次元データを含むあらゆる情報をまとめて管理することを意味する。ビルであれば,一つのビルを構成するさまざまな要素すべての情報を一つにまとめて,図面でなく3Dデータで管理するというのがそれまでの建設業界との違いとなる。一方で,BIMが建設業界のIT革命ならば,CIM(Construction Information Modeling/Management)は土木業界でのIT革命に相当する。 ともに,伝統的な産業界に変革をもたらす概念であり,3Dデータが大きな鍵となっている。そのデータの可視化に,VRは非常によいソリューションとなると期待されているのだ。 何度か紹介しているVR研究会と同様に,このイベントもとくにゲーム業界向けというものではないのだが,日本国内でのVRの状況を把握するにはよい内容となっている。 開催からずいぶん時間が経ってしまったが,今回はとくに日本政府が目指すVRの方向などにも話を広げて,日本でのVRの状況をお伝えしてみたいと思う。 なお,内容については,昨年行われた第2回VR研究会会合と似通ったところが多くあるので,そちらのイベント記事も参照しておくと理解が早くなるかもしれない。そちらと内容のかぶる部分は積極的に端折ってはいるのだが,かなり長いレポートになってしまったのでそこは注意してお読みいただきたい。

産学一体でこそできることとは? 第2回VR研究会レポート

 さて,イベントの開会に当たって,デルのCTOを務める黒田晴彦氏はBIM/CIMを巡る国内の動きなどを中心に話を行った。今回のイベントがBIM/CIMに焦点を合わせたものだったので,さまざまなデータはどのように活用されるのかなどが中心だ。 こういった話はVR研究会でもたびたび出ていたのだが,国もなにかやってるくらいの印象で,「Society 5.0」で「サイバー空間とフィジカル空間を融合させる」と言われても目指すものがイマイチ分からなかったのだが,今回の話でそのあたりが少し明快になった感じだ(個人的に)。 2018年10月に発足した第4次安倍内閣では,初めてIT関係の担当として平井卓也内閣府特命担当大臣が指名されている。平井氏は自民党内で「デジタル・ニッポン」といったものを進めていた人物だという。そこから政府が進めるSociety 5.0につながり,国家規模のIT推進は今後加速されていくようだ。
 その中で進められているものの一つに国家を仮想化しようという動きがあるという。これはシンガポールが推進しているバーチャルシンガポールに倣ったもので,物理的なものから建物などを含めて仮想空間内で再現しようという計画である。日本でもバーチャルジャパンを実現しようという動きが始まっているというのだ。
 バーチャル化するとなにがいいのか? お役所の機能などのバーチャル化で利便性を上げるような意図もあるようだが,実物の国土と寸分変わらないものがバーチャル空間にあるということは,精密な測量が全国規模で行われてデータが共有されるという意味でもあり,土木・建築業界では大きな意味を持つだろう。また,バーチャル空間内で精密なシミュレーションができる。防災をはじめ,さまざまな活用が期待できる。 これはかなり難度の高いプロジェクトだと言われているが,国中のさまざまな期間がこれを推進していこうとしているという。分かりやすいところでは国交省だ。同省の進めようとしているSmart Cityといった方向では,デルも協力体制を取っている。その中で「BIM/CIMデータを活用したい」という声が上がっており,それをさまざまな情報と組み合わせてバーチャルな都市や国を構成しようとしているというのだ。 そして現在,こういったデータをVRと組み合わせて活用しようという取り組みが進んでいる。国土の情報とBIM/CIMの情報を組み合わせる場合,VRは技術的な鍵となる部分だとデルは見ているようだ。 同社としては,今後VRとBIM/CIMの活動領域が重なって,お互いに連携しあっていくので,産学官の連携を加速していきたいとしている。今回のイベントが企画された背景にはそのような思惑が隠されている。 ということでちょっと個人的メモも兼ねてまとめておく。 内閣が進めているのが,「Society 5.0」でビッグデータとAIを活用し,社会のさまざまな問題を解決しようという動きだ。 国交省が進めている「i-Construction」は建築土木業の効率化を目指すもので,ICTの活用もそこに含まれる。 また,同省の進めている「スマートシティ」はCO2削減や省エネルギーなどの実現のための都市機能基盤を構築するものであり,各種データとサービスへのアクセスが標準化されている模様だ。ただ,スマートシティ自体が一般名詞であり,「スマートな街」というイメージで雑多なコンセプトが盛り込まれているようにも思われる。国交省はエネルギー的な部分,デジタル・ニッポンなどでは,データ基盤の部分が強調されている。基本的には,ICTで街を効率よくして,生活レベルを高めるところまですべてを包括する概念のようだ。国交省のプロジェクトではすでに本格的な展開が始まろうとしており,4月末の時点でモデル事業の公募が終わっている。●Society 5.0 内閣府が進めているモノ。サイバー空間(VR)と現実空間(BIM/CIM)を融合させる。●i-Construction 国土交通省が進める土木・建設業の効率化。●スマートシティ ICTによる都市の効率化。データのオープン化。●デジタル・ニッポン 自民党政務調査会IT戦略特命委員会の提言。Society 5.0の原点? とはいえ,まだ全体的になにをやりたいのかが分かりにくいと思うので,興味がある人は,デジタル・ニッポン2018の資料を見てみるのがいいだろう。多少多岐にわたりすぎな感はあるが,全体的にやりたいことがまとめられている。 そんなこんなで,Society 5.0の基盤となるスマートシティのさらに基盤となる各種データのうち,国土の地形データや建築物のデータは大きな比重を占める。BIM/CIMデータはそこで大きな意味を持ってくる。そして,今回のイベントではVRとBIM/CIMがどうつながっていくのかの最新情報が共有された。
 基調講演で登壇したのは大阪大学の情報科学研究科バイオ情報工学専攻人間情報工学講座准教授の安藤英由樹氏だ。講演タイトルは「潜在的応答を利用したVR/ARインタフェース」である。 なお,講演内で出てきた事例自体は,こちらで紹介した東京大学の青山一真氏によるVR研究会での紹介とかぶる部分も多く(そちらでも説明は省略気味だが),どういう研究をしているのかという基本的な部分は,GCC'17での安藤氏と青山氏の両名による講演の取材記事を参照していただきたい。脳に電気刺激を与えることで重力や視覚などの感覚を擬似的に作り出す試みや,VRなどを使った感覚の共有などによるさまざまな試みが行われている。 さて,電気刺激によって感覚を再現する研究にもいろいろな方向性があるようだが,安藤氏がとくに強調していたのは,無意識的な行動「潜在的応答」をサポートするような利用方法だった。 重力感覚を操作して,普通に道を歩いているつもりでも曲がってしまうような実験がいくつか示されたのだが,後ろからクルマが突っ込んできても歩行者が自動的にかわすようなシステムを構築できるというのは説得力のある応用例だ(それなりの環境構築は必要になるのだろうが)。
 IoT時代となり,今後人間が扱う情報は爆発的に多くなっていくと予想されている。道路や自動車,あるいは歩行者の装備しているデバイスからの情報を逐一歩行者に与えても,おそらく処理しきれないだろう。 そういった情報をいかにして無意識領域で処理させるか,歩行者が気づくことなく無意識領域で処理できれば最善だと安藤氏は考えているようだ。
 電気刺激以外にもVRデバイスを使って視野や感覚を共有するような研究も多く紹介された。内視鏡手術の訓練など,ベテラン医師の技術を効率的に身に付けることができる手法として注目されているという。離れた人と五感をつなぐような研究や錯覚を積極活用することの研究が進められている。 「追いトレ」として紹介されたのは,視野情報を共有することで熟練者の動きを真似るようなシステムだった。このシステムは素通しの視界の上に映像を重ねるタイプだが,熟練者がなにを見てどのように操作しているのかが,第一人称視点で確認できる。内視鏡手術のトレーニングシステムでは熟練医の動作をトレースすることでスキルを身につけることができるのだ。実際にそれで効果が上がっているという。
 「追いトレ アドバンス」と呼ばれるシステムでは,映像内に自分の操作する器具を重ねて表示するように改良されていた。
 昨今では手術のサポートロボットが登場して成果を挙げているそうなのだが,そういったデバイスに頼ることで,逆に若手医師の手術スキルが上がらなくなったという問題が発生しているのだという。医師のスキルアップにこういった試みが有効に働くことが期待されている。場合によっては,学習のメソッドそのものに革命的な影響を与えることにもなるだろう。
 次に登壇したのはフォーラムエイト執行役員システム事業マネージャの松田克巳氏だ。 フォーラムエイトは,国内ではかなり古くからVR事業を展開している会社である。最近のゲーム系のVRとは違って画面に派手さは少ないのだが,VRデータの構築や体験用のシステムをいろいろと扱っている。最近は毎年東京ゲームショウにブースを構えているので見かけたことがある人もいるかもしれない。
 会場では,同社の代表的な製品である「UC-win/Road」で表示した3D空間内でBIM/CIMデータを扱うデモが行われ,ここでは橋脚を読み込んで表示してみせていた。ハチ公前交差点に突如として高速道路でも支えそうな橋脚が設置されるというシュールな展開だが,これもゲームとは違って,各データのスケールや正確さが保証されているからそのまま配置できるものであろう。表示はVR機器にも対応しており,工事用の重機でどの程度の視界が確保されるのかなどを確認できるという。
UC-win/RoadによるCIMデータの読み込み
工事中のショベルカーからの視界
 同社は以前からVR推進協議会などで,建築分野を中心としてVRデータの共有を進めているという。そのような実際の地形などを使ったVRを実現するための,実際に公開されている地図データを読み込んで表示する様子が紹介された。
範囲を指定して国土地理院の公開データを読み込むこちらは道路の設置画面
 会場では,国土地理院が公開している標高データから,会場のある大阪・梅田付近の地図を表示したうえで,適当に道路を設置してみせていた。そこにクルマを出してドライブすることもできる。
 とはいえ平面の地図だけでは非常に殺風景だ。 そこで,Open Street Map(OSM)が公開している建物情報が紹介された。OSMでは道路情報や建物情報を共有・公開しており,同社のツールで簡単に取り込むことができる。テクスチャデータはないのだが,あっというまにツール内に都市を再現できることが示された。 このようなオープンデータを活用することで,実際の都市のデータを使ったプランニングなどがすぐに開始できる。これまでは既存の環境を再現するところに多大なコストがかかっていたとのことで,生産性の向上が可能になるという。
OSMからのデータの読み込み建築物のデータが読み込まれた
 国交省や政府が進めようとしている国土データなどの共有化は,このようなものをさらに高度かつ精密にしたものになるであろうと期待されるのだが,そうなると土木・建設のみならず,多くの分野でコスト低減が図れそうに思われる。 日本の地形であれば国土地理院が公開しており,海外であれば,NASAの計測によるオープンデータがある程度使えるとのことだった。ざっと検索してみたのが次のものだ。●国土地理院 地理空間情報ライブラリーhttp://geolib.gsi.go.jp/●国土地理院 基盤地図情報ダウンロードサービスhttps://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php●NASA Open Datahttps://open.nasa.gov/open-data/●Open Street Maphttps://www.openstreetmap.org/ これでOSMの建物データも読み込めた。ビルなどは箱型であまりリアルではないのだが,それでも一定の用途で役立つものである。 会場のスクリーンに映し出された画面も少しリアルになったわけだが,ここでマップ上に作成した道路ごとに交通量などを設定してやれば,設置した道路がどのような通行料になるかなどをシミュレートすることも可能だ。デモでは信号の設定がされてなかったので変な渋滞が起きていたが……。おそらく,これくらいの交通量で信号をこうした場合の道の混雑具合は,といった感じのシミュレーションもできるはずだ。 UC-win/Roadは,名前が示すように道路を作ることを得意としている。カーブを作成するにしても,指定した地点を滑らかに結ぶ応力スプライン曲線や,ハンドルを一定の速度で切ったときに沿う曲線であるクロソイド曲線が用意されている。 作った道路の確認用に,同社ではさまざまなライドデバイスも取り扱っている。 中国の政府機関に納入したというシステムでは,ドーム状のスクリーン内に実車(アコードらしい)を1台入れて,周りのスクリーンに8台のプロジェクタで3D映像を投影するというドライブシミュレータが構築されていた。地形や運転操作によってアクチュエータが動作し,傾きや移動でのGも多少は再現されるという大掛かりなものになっていた。
ログデータの例
 なぜこのようなものが必要とされるのかについて,松田氏は実環境ではテストできないことは非常に多いのだ語った。たとえば自動車制御プログラムの初期段階のものなどは,実車でテストするのはとても危険なのだが,それでもテストはしたいという需要はある。そのようなときに,現実の代わりで使えるシミュレータがあればテストデータを取りながら開発ができる。 これを使うと「ここに道路を作ったらどうなるのか」みたいなものを着工前に体験できるわけだ。走行時の速度といったログデータも細かく収集されており,どのような道路を作ると効率がよいのかなども判断できる。バーチャルなライドデバイスの用途は広いのだ。
大阪大学安藤氏のスライドより
 なお,学術系のVRの講演に行くとほぼ必ずされる話に,「バーチャルは『仮想』ではない」というものがある。バーチャルの本来の意味とは「見た目が違っても同じように扱えるもの」のことだという説明が行われるのだ。今回も大阪大学の安藤氏がしていたわけだが,「本質的にはリアルと同じもの」,それが実際には存在しなくても,あるように感じるようにさせること,それを実現しているメカニズムを知ることがVR研究だと安藤氏は説明していた。 現実世界とみなして大丈夫なレベルのシミュレーションを行えてこそVRであるという意味なら,フォーラムエイトが行っているのはまさにそれだ。 そして現実空間ではできないことをVR空間で行えることの意義が分かると,バーチャルジャパンなどのプロジェクトの意味もよりはっきりしてくるだろう。 さて,同社のツールは多くの企業。さまざまなプロジェクトで活用されている。その成果を共有するため,フォーラムエイトは毎年コンテストを行っている。会場では,昨年の上位入賞作品が紹介された。 2018年度のグランプリに輝いたのは,北海道旅客鉄道(要するにJR北海道)による「北海道新幹線札幌駅計画VRシミュレーション」だった。 これは北海道新幹線が札幌まで伸展された場合に設置される予定の新幹線札幌駅がどのように機能するかを確認するためのもので,駅に到着した新幹線はやぶさ号から降りた乗客の挙動などをシミュレートしているものだ。その動線はどうなるのか,どこに案内板を設置するのが効果的なのか。そういったものがテストされているのだ。 映像に登場する乗客の身長や年齢,性格,歩く速度など,一人ひとりに異なる設定を施し,どういった客層がどれくらいの割合でいるかなどを指定して群衆シミュレーションを行っているというたとえば,改札の位置をどのようにすると混雑がどう変わるのかなどを事前にテストできるのだ。 また,そこで使われていた群衆シミュレーション用のツールも紹介されていた。 Exodusは,元々飛行機の設計で使われていたものだそうだ。旅客機は大事故発生時には90秒以内に乗客全員が脱出できることが保証されていないと認定が取れないのだそうで,脱出経路や非常口の設計でそういったツールが必須となるのだという。 会場では建物の非常口の位置を検討するシミュレーション例が示されていたが,火災発生時に有毒ガスがどのように流れてどこに溜まってといった情報や人の動きもシミュレートされて平面図に表示される。有毒ガスが一定濃度以上の場所では人は動けなくなり,「ここで火災が起きた場合に非常口がこことここだと死者何名」といった数字が具体的に示されていた。設計や建築だけでなく,大規模なイベントを行う場合にはこういったシミュレーションが活用されているのだそうだ。
火災発生時のシミュレーション例
 さすがにVRビジネスの老舗だけあって,幅広い展開を行っていることが分かる。 今後は,国交省の進める電子データのオンライン化に対応したり,Unreal EngineやUnityへのデータ出力を検討しているとのことだった。自社でも描画エンジンの刷新は行うとのことだが,リアルなシミュレーションがリアルな描画と結び付けばより大きな効果を上げることだろう。
境港市で水木しげるロードのリニューアルにも使われた津波発生時のシミュレーション例
 続いてはEpic Games Japanのテクニカルアーティスト小林浩之氏によるUnreal EngineでのBIM/CIMデータの取り扱いなどが紹介された。Unreal StudioとDatasmithの紹介が主な内容で,講演者は異なるものの,大筋では第2回VR研究会とあまり変わらない。なので,基本的な部分はそちらの紹介記事を参照していただきたい。 Unreal Engine 4を核に,データ入出力や素材ライブラリなどをまとめたUnreal Studioはまだβ版なのだが,すでに主力ツールとして活用している業者も登場しているとのことだった。
Unreal Studioでの建築ビジュアライゼーション
VRでスポーツカーをデザインするマクラーレンのカーデザイナー。フリーハンドで空間に線を引いていく。……空力って?
 アップデート情報としては,新たにDatasmithで3ds MaxやRevitが使えるようになったことが発表された(Revitはアーリーサクセス版)。今後もAliasやAutoCADなどへの対応を強化していく予定だとのこと。
Datasmithで行われるデータ簡略化処理の例
ピクセルストリーミングで,Webブラウザ上からリアルなレンダリング結果を表示可能
 最新動向としてはVersion 4.22でリアルタイムレイトレーシングのアーリーアクセス版が公開されたことなどが紹介された。また,Unreal Editorでのマルチユーザー編集機能もアーリーアクセスという形で公開されている。 そのほか,ピクセルストリーミングは,ウラウド上でUnreal Engineのアプリを動作させて,出力をストリーミングで配信するような仕掛けだが,Webブラウザ上で自動車のリアルタイムコンフィギュレータを構成したり,Hololensにストリーミングを行うなどの例が紹介されていた。単純にゲームで使うとクラウドゲームになるだろう。
レイチレーシングがアーリーアクセスで提供開始複数人で共同して編集できるようになる
 CADデータを直接読み込んで最適化できるDatasmithの登場で,Unreal Engineは産業界に大きく進出しており,さらにゲーム以外での利用を促進させるUnreal Studioの展開も進み,もはや「ゲームエンジン」という枠に収まらないツールになってきた感がある。 高品位なリアルタイムビジュアライゼーションは,VRのみならず,多くの潜在需要を抱えている。そして,その扱いはますます手軽になってきている。今後,Unreal Engineは産業を変えるコアな要素となりそうだ。
 バルコのVR&シミュレーションビジネスマネージャーである中村星一氏からは「ラージスケールVRコラボレーション」と題した講演が行われた。 バルコという社名が一般の人にどれくらい認知されているのかはよく分からないのだが,ブラウン管の時代には憧れのデータプロジェクタブランドだったなあとしみじみ。 同社が提案するのは,VRヘッドセットを使わないVR表示のソリューションだ。プロジェクタを活用することで,VRヘッドセットとは違った,多人数によるVR体験が実現されるのだ。 ちなみに,先ほどフォーラムエイトで紹介した,中国向けドライブシミュレータに搭載されていたプロジェクタもバルコ製であるとのことだった。Unreal Engineの事例でも建築系の事例の中でもいくつか使われていたものもバルコだった。 ということで,ゲーム業界には少し縁遠いが意外と使われている出力デバイスとしてのプロジェクタについて紹介されていた。 まず,VR市場の業種と市場規模を描いた図が掲げられ,バルコが目指す市場についての説明が行われた。
 現在VRデバイス各社が注力しているような小売りやエンタテイメント市場は目指さない。製造業や教育・研究分野に注力していくのが同社の方針とのことである。 そういった製造業などをターゲットとする同社は,VRによって業界は変わりつつあるのだという。 伝統的なプロセスでは,設計-試作-評価といった過程を繰り返す必要があるのだが,VRが導入されることで実際にモノを作る前に評価が可能になる。これにより大幅な効率化が実現できる。
VRでモノ作りのプロセスが大きく変わる
 最近では作成するものがどんどん複雑化しており,多くの人が係わって作られている。検証するにもみんなで集まって議論することが重要になってくるのだという。そういった活用シーンでは,みんなでVRヘッドセットをかぶってというよりも,同じものを大勢で見ながらのほうがなにかと捗る。そういった場合にプロジェクタによる表示が非常に有用になってくるわけだ。
荏原製作所の導入事例では,ポンプの給水口付近の水流のシミュレーションの様子を壁3面に投影して,大勢で検証しているところなどが紹介されていた
 同社のプロジェクタは,1台で2視点,つまり立体映像を1台で投影することが可能だ。1枚のスクリーンで2人別々の映像を見せるなどといったソリューションが存在するほか,VR Caveと呼ばれるシステムでは,部屋の最大5面の壁に映像を投影して,ほぼ一部屋丸ごと映像を投影することも可能で,最大20台ものプロジェクタを連動させて表示を行う技術を有している。VRヘッドセットは使わず,多人数でVR空間を共有するというのがバルコの得意とするところとなる。
1枚のスクリーンに2つの視点からの映像を投影可能
 ゲームではないVRの活用法(正直,どの程度までをVRと呼べるのかは自信がないのだが),プレゼンテーションやコミュニケーションツールとしての用途と,それに向けたVRデバイスということで,一般的なVRデバイス業界とはまた違った展開が行われており,それも今後のVRで大きな位置を占めるものとなっていくのだろう。
 続いて表示デバイス関連で,ジャパンディスプレイ ディスプレイソリューションズカンパニー ディスプレイソリューションズ第2事業部商品部部長の柳 俊洋氏からもデバイスの最新動向についての講演が行われた。バルコとは違って,従来のVRデバイス市場に向けた展開を行っている会社である。 同社製の液晶パネルを使用したPC用VRヘッドセット開発樹をリリースしているというのは以前にもお伝えしたが,今後もVR向け製品の展開を予定しており,その概要とVRヘッドセット用のパネルに求められる要素などが解説された。 VRヘッドセットで表示パネルの性能が占める位置はかなり大きく,そのデバイスの特性を左右するものとなりうると言ってもいいだろう。VRヘッドセット用表示パネルメーカーが語る将来展望というのは,業界全体の動向を占ううえでも非常に参考になる。 「○○年に××なパネルを出す」というのが分かっていれば,業界的にどういった製品が展開されていくのかは比較的容易に想像できるのだ。
 VRヘッドセットに求められるパネルの特性はどんなものか。まずテレビがある程度離れた場所から見るものであるのに対し,スマートフォンは手に持って使用するので,より高精細が要求される。VRヘッドセットでは,より近くでさらに凸レンズで拡大して使用することが前提となっているので,遥かに高い精細度が要求される。テレビであれば,55型の4Kモデルでも80ppi程度なものが,スマートフォンでもとくに精細度にこだわり,いわゆる「Retinaディスプレイ」を搭載するiPhone系で326ppi(最高458ppiまであるが)となっている。それに対してVRヘッドセットでは461〜615ppiと高精細だ。
 続いてVRヘッドセット用パネルに求められる要素についての比較が行われた。使われたのはスマートフォンなどで使われている液晶パネル(簡易ゴーグルなどでVRに利用可)と一般的な有機ELパネル,そして同社のVR用液晶パネルの3種類だ。 尺度となるのは「画像のリアリティ」「動画のぼやけ」「遅延」の3ポイントだ。まず,表示のリアリティには高精細画素,輝度(明るさ),コントラストの3点が挙げられているが,とくに強調していたのは精細度だ。ちなみに,評価はPoor(ひどい)<Possible(我慢できる)<Fair(まあまあ)<Good(良い)<Excellent(素晴らしい)という順なので参考までに。
 ジャパンディスプレイ製品は,現行のモノと比べても精細度が高めで今後さらに高精細な製品が予定されている。さらに強調していたのは,現在のVRヘッドセット(PSVRを除く)の有機ELパネルではペンタイル配列が使われていることだ。 SIEがPSVRでことあるごとに強調している部分でもあるが,ピクセル単位にRGBすべての画素があるRGB配列に対して,ペンタイル配列では赤と青の画素数が半分しかない。2画素分のRGB配列がRGBRGBという感じだとすると,ペンタイルではRGBGのような感じだ。 画面全体でいうと,PSVRのLED数が約6.2M個であるのに対してViveやRiftでは3.8M個しかない。それでも一般的にはViveやRiftのほうが解像度としては高いスペックを持っているとされる。SIEが強く主張したい気持ちも分からなくはない。
 人間の目は輝度情報については敏感だが色情報についてはそれほど敏感ではないので,最も明るい(ダイナミックレンジの広い)緑で輝度情報をカバーし,赤と青の解像度は落とすというのはリーズナブルな方式ではある。ただし,RGBでの解像度には及ばない。とくに黒地に白文字表示などでは,文字のエッジを見るとギザギザしているのがよく分かるだろう。細かい文字はさらに読みにくくなる。 ジャパンディスプレイの製品は液晶なので,普通にRGB配列だ。精細度が高いこともあいまって,画面内の文字が読みやすい。次に取り上げられたのは動画のぼやけ問題だ。これは「高リフレッシュレート」「インパルス制御」「反応速度」といった3つの要素が関係するという。 動いているものがぼけて見えるのは,実際には飛び飛びでしか動いていないものを脳が連続的に動いているように補間してしまうことが原因としてあるらしい。そしてそれは連続的に動いているであろう位置を脳は予測しているのに,画面では離散的にしか位置が変わらないことがストレスになるという。
 そこで表示間隔を細かくして,位置のズレを減らしてやるというのが,リフレッシュレートを上げる対応策となる。 また,表示した瞬間だけ見えるようにして,次の絵を表示するまでの間は絵を出さないようにすることで,脳の無駄なストレスを減らすことができるのだそうだ。 それがインパルス制御だ。これは,いわゆる黒画面挿入に相当するもので,バックライトを明滅させて映像が見える時間を制御するものとなる。LEDバックライトはきわめて高速に明滅を切り替えられるので,これは液晶パネルのほうが有利になる部分のようだ。有機ELパネルは「Possible」となっているが,できなくはない程度の意味で捉えておけばいいだろう。
 なお,これらの高リフレッシュレート化もインパルス制御も,素子自体が低速だと十分な速度にすることができないので,応答速度も重要になるのは言うまでもない。遅延の抑制では,高リフレッシュレートと反応速度がキーとなる。表示フレーム時間を単位にして表示処理は動くので,表示できるフレームレートが上がるとそれだけ遅延も小さくなる。 VRでは,首の動きなどへの追従で,動きから実際に表示に反映されるまでの時間が20ms以下であることが望ましいとされている。それ以上だと,酔いが発生しやすくなる。
 ジャパンディスプレイのパネルは現状のもので,リフレッシュレートは90Hz対応と,業界の最高水準レベルにあり,将来的には180Hzにまで対応予定となっているという。 ロードマップを見る限り,今年から来年には2K+2Kの4Kパネルが出荷され,来年くらいには4K化が進むのだと思われる。パネルの解像度はどんどん上がっていくのだが,パネル自体は小型化されていくという。現状ではVRヘッドセットはまだまだ大きいと認識されているので,小型化化も高性能化と並行して進んでいくようだ。パネル自体の未来は明るそうなのだが,ジャパンディスプレイ自体がどうなるのかのほうが心配なところではある。
 数年で4K,8Kと景気のよい予測もできるのだが,パネルの高解像度化や高リフレッシュレート化は,レンダリング負荷の増大を意味する。おそらく来年くらいのGPUであれば,4K/120Hzにも対応できるのだろうが,現状では難しい。とくにVRでは表示デバイスは描画デバイスと歩調を揃えないと意味がないのだ。単純に8K/180Hzに対応するには,現状の32倍くらいのレンダリング性能が必要になってくる。視線探査によるFoviated Renderingなどで負荷を半分程度にできるとしてもハードルは高い。一気にプロセスルールを半減して製造されるであろう次世代GPUに期待しよう。
福井コンピュータ浅田一央氏
ユタカ工業福士幹雄氏
 続いて行われたのは福井コンピュータ浅田一央氏とユタカ工業福士幹雄氏による「【導入事例】土木現場におけるVR活用事例のご紹介」という講演だ。 この2社は,土木・建築業界でBIM/CIMデータやVRを活用している日本で最先端ともいえる会社であり,今回のイベントの中心的な会社による発表ではあるのだが,紹介された事例などはVR研究会で発表されたものとだいたい同じなので,これについても以前の取材記事を見ていただくのがよいと思う。土木・建設業を巡る効率化が強く求められている日本の現状,若手労働力の不足や熟練工の老齢化などについては,そちらの記事に詳しい。 簡単に説明しておくと,福井コンピュータは土木・建築用ツール「TECNO CORE/VR」を開発しており,それを活用して工事を合理化している会社の一例がユタカ工業となる。 現地でドローンを飛ばし,レーザー計測で地形の正確な形状を記録し,それをもとに工事計画を立てる。VRを活用して,工事前に問題点を洗い出すなどの手法などは,まさに国交省が目指す効率化に合致するものだろう。i-Constructionの概念が浸透していけば,いずれは,ここで説明されていたような手法が日本全国で行われるようになるのだろう。
 そして,ユタカ工業が強調していたのは,VRのみならずさまざまな手法をを駆使した工事の「見える化」だ。 できあがったあとで「ここもうちょっと右に」とか言われても対応できるものではないので,事前にコンセンサスを取っておけばトラブルも未然に防げるのだ。 福井コンピュータの浅田氏はいつも,新しい道路を作る際に,横にある桜の木が邪魔になる例で説明していた。木は工事の図面とは離れた位置にあるのだが,枝が大きく張り出しており,そのままでは道路を作っても使えない状況になるというケースだ。木を切るのか,枝を落とすのか,移設するのかで工事の作業も変わってくる。VRを使うと問題点を事前に共有しやすく,トラブルが防げるという話だった。
 データを3Dで管理し,さまざまなシミュレーションとビジュアライゼーションを行うことで,事前に関係者とコンセンサスを取ることが,作業全体の大きな効率化になってくる。
VRで確認中に気になった部分は,スクリーンショットに付箋を貼って共有できる
 また,VRは安全教育でも活用されている。「こんなところにいると……ドーン,はい死んだ」といった感じでデモをしていたが,危険も多い工事現場での安全講習も,VRを使うと実体験に近いレベルで行うことができる。身を持って危険を体験できるのだ。また,VRを使うと高所作業などの訓練も安全に行える。ただし,VRであっても高所から落ちすぎるとトラウマになるので注意とのこと。
 これらはすべて正確な3Dデータがあってこそ実現できるものだ。こういった正確なデータが共有できれば,土木・建設業界の効率アップにつながるというのも,デジタルニッポンなどが目指すところである。 この手のイベントで業者の人に聞くと,設計図が正しいことなどはないと口を揃えるが,正確な測量が施工時にしか行われていないというのがそもそもの原因だろう。デジタルニッポン,バーチャルジャパンといったプロジェクトで,正確な地形データを日本全土の規模で測定して共有することができれば,設計から施工での無駄もかなり省けるのは間違いないだろう。
 次はNVIDIAの田中秀明氏によるRTX GPUや同社の最新技術動向についての話が行われた。 GPUは,VRではまさにキーパーツであり,なにができるようになるのか,どれくらいのことができるようになるのかは,GPUの性能に依存する部分が非常に大きい。 ただ,今回のNVIDIAの講演も,Quadro RTXの部分については第2回VR研究会のものとだいたい同じだったので,まずそちらを参照していただくとして,前回の記事と重ならない部分を拾っておきたい。
低価格で高性能でVRもOKと,Quadro RTX 4000がお勧めされていた
 なお,次世代のGPUについて前回は「7nm」と明言していたのだが,今回はほぼ同じ文脈で「より微細なプロセス」と表現が変わっていた。TSMCの6nmプロセスが稼動を始め,5nmプロセスの設計が解禁された現時点で考えると,次世代は7nmより小さなプロセスで作られることも考えられる。12nmから6nmであれば,単純計算だとダイサイズは1/4に,同じダイサイズだと4倍の演算器を搭載できる(まあ,現世代のチップはとにかく巨大なので,倍増くらいがせいぜいだとは思われるが)。仮に7nmだとしても大幅な低コスト化,省電力化,高性能化のいずれかが実現できるので,次世代製品に期待しておこう。 さて,Quadro RTXに続いて,そのQuadro RTX搭載カードを最大8枚内蔵できるラックマウント型のワークステーションRTX Serverが紹介されていた。
 1台で非常に強力な演算性能を持つマシンだが,どのような用途に使われるのだろうか。その1つとして,VRストリーミングが挙げられていた。ゲームと違ってCADデータなどはデータ量が非常に大きくなる。すでにUnreal StudioのDatasmithなども紹介されていたわけだが,軽くするためにはデータを簡略化が行われるので,あくまで正確なデータを扱いたいという場合は,これくらいのパワーが必要になるのだろうか。あるいは,フルレイトレーシングでのVRを実現したいとなるとこれくらいは必要になるのかもしれない。 RTX Serverでレンダリングされた映像はきわめて低いレイテンシでVRヘッドセットにストリーミング配信できるという。ゲーム業界的には,こちらのほうに興味を持つ人のほうが多いかもしれない。
 そのほかでは,GPUパワーを生かしたリアルタイムシミュレーション処理や,AIを使ったレタッチ技術であるNGX Inpaintingが紹介されていた。 NGX Inpaintingは以前のイベントでも出てきていたのだが,指定した画面上の物体を消して自然に背景を描き足すようなことができるという,ほとんど魔法のようなツールだ。すでにこの機能を搭載したツールも発売されているという。ぜひムービーでご覧いただきたい。NGX Inpainting これは深層学習を利用したNGX SDKを使ったペイントツールだ。NGX Technologyの公式サイトを見ると,通常は高速度撮影しないと実現できないスローモーション映像を,通常のフレームレートでの撮影結果から作り出す処理や,AIを使って高解像度画像を生成する処理など,グラフィックスツールを変革するような技術が並んでいる。ゲーム制作の現場から見ても興味深いのではないだろうか。
 そのほか,RTX ServerはOmniverseにも近日対応とのことだった。今回とくに説明はなかったが,Omniverseは,PixarのUSD(Universal Scene Description)やNVIDIAのMDL(Material Definition Language)を使って,複数のツール間でモデリングデータやアニメーションデータなどを共有できる仕組みだ。Mayaで作ったファイルにSubstanceでテクスチャをつけて,Unreal Engineで動かすといったコラボレーション作業がとくにファイル変換なしで行え,別のツールで加えられた変更をライブ更新しながら作業できるという。 CAD系のツールだけでなくAutodesk製品やアドビ系のツールも関係しているので,ゲーム業界的にもまったく無縁というわけではないかもしれない。 
 最後にデルのクライアントソリューションズ統括本部クライアントテクノrジストマネージャーの馬場勇輔氏が登壇して,同社のワークステーションPrecisionシリーズとVR関連への取り組みの紹介が行われた。VRを展開するソフトウェアベンダー,ハードウェアベンダーと密接に連携しつつ,それらを支えるPCハードウェアなどを提供していくというのがデルの立ち位置となっている。 ゲーマーにはALIENWAREやXPSのブランドで知られる同社だが,ビジネス用PCや,サーバー,ワークステーションでも多彩な展開を行っている。PrecisionシリーズはCADやCG制作などで使用されるワークステーション群である。一般PCとの違いは,ほぼ間違いなくQuadroやRadeon ProといったOpenGLアクセラレータを搭載していることだ。壇上では,薄型ノートPCでもVRに対応できる製品があることなどがアピールされていた。
 ノートPCからラックマウントまで幅広く展開しているPrecisionシリーズだが,常に時代を先取りした展開を行ってきたと馬場氏は語っていた。デスクトップ製品の例を見ると,業務用にしては意外と思えるくらい内部へのアクセスが良好だったりする。普通の人がどれくらい電源交換するかは知らないが,ツールレスで電源を抜けるというのは便利そうだ。 そのほか,付属ツールであるDell Precision Optimizerが紹介された。これはAIを用いて特定のアプリケーションの実行に最適化する機能だという。そして,その対応ツールとしてUnreal Engineも加えられたとのことだった。AIによる動作で,とくにツールを選ばず最適化が行えるもののようだが,今後VRやARは重要になるということで,最初からUnreal Engineに対応してきたのだ。 また,PCでは非常に厄介というか致命的になるメモリエラーについては,エラー発生箇所を使わないようにして信頼性を保つシステムも搭載されているとのことだ。ただのPCとは少し違う。 こういったツールを用意して高い生産性をあげようとしている点もPrecisionの特徴なのだという。 
 ということで,長時間かつ非常に中身の濃い講演が続いたイベントだった。今回は大阪で行われたが,デルはこのような産業界向けのVRイベントを今後も開催していく模様だ。決してゲーム業界向けではないのだが,機会があったら参加してみると新しい知見に出会えることもあるのではないだろうか。

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