名刺の山をスキャンする前に下準備しておくべき、たった1つのこと
PFUによると、名刺のスキャンデータをScanSnap Homeに効率よく取り込むためにコツがあるという。それは、名刺の表・裏をそろえておく、ということだ。
ScanSnap Homeでは、前述の「名刺を管理」プロファイル画面にあるように、名刺の「向き」を認識して自動で回転させるように設定できる。このため、名刺のデザインが縦か横かを意識したり、名刺の左右・天地をそろえたりしなくとも、まとめてスキャンすれば向きを認識して自動で回転させてくれる。一方で、名刺の表・裏を認識して自動で順番を入れ替えたりはしてくれないため、給紙トレイに設置する際に名刺の表・裏を考慮しないと、期待どおりに社名や氏名などを認識してくれないのだ。
名刺の「向き」は認識されるため、左の画像サムネイル列にあるように、縦・横や左右・天地が正しく表示されている
また、ScanSnap iX1500の給紙トレイに取り付ける「名刺・レシートガイド」は、厚さ的には名刺10枚程度をまとめてセットするぐらいがちょうどいい形状になっている。そこで、スキャンする際には、名刺の山から直接、給紙トレイにセットするのではなく、下準備として、表・裏をそろえながら(天地・左右はそろえる必要はない)、名刺を10枚ずつに分けて積んでおくということを行った。あとは、この10枚ずつの名刺を給紙トレイにセットしてスキャン、セットしてスキャン……を繰り返せば作業がスムーズに進む。
下準備として、名刺の表・裏を確認しながら、10枚ずつに分けていった。写真は、ひと山が100枚(10枚×10セット)給紙トレイには、名刺の裏面が手前になるようセットする。こうすることで、「ScanSnap Home」が名刺の表面を表面とみなし、そこに書いてある情報を会社名や氏名として認識するようになる
こうしてスキャン作業を進めた結果、始める前は「この仕事に就いてから20年ほどの間に名刺交換した量をスキャンするとなると、1日仕事になるかな……」と覚悟していたのだが、2時間もかからずに終わってしまった。スキャンした名刺は合計1036枚で、20年分と覚悟していたほどの量ではなかったからだが、最初の設定で少し戸惑ったこと以外は、給紙トラブルなどもなくスムーズに作業が完了できた。だいたい100枚あたり10分ぐらいのペースということになるが、この時間のほとんどを占めるのが、名刺の裏・表をそろえる作業であり、スキャン処理自体は高速だ。筆者が名刺の裏・表をきちんとそろえて保管しているタイプの人物だったら、この半分以下の時間で済んだかもしれない。
画質については、結局、ファイル容量の大きいデフォルト設定でスキャンして、名刺1036枚のスキャン画像のファイル容量は合計241MB。気にするほどの容量ではなく、たとえ名刺が数千枚あったとしても(20年分なので、当初はそれぐらいあるものと想定していた)、デフォルト設定で全く問題なかっただろう(ただし、本当に数千枚を一気にスキャンしたら、名刺の表・裏をそろえるだけで1日仕事になっていたはすだが)。
最後に、気になるOCRの精度だが、例えば会社名が「E到MhOべjr市”Ⅲ號式掴才士」「鰄皿一僻獣瞬」「受信契約や転居の際は函O120-151515までご連絡ください」のように、いったい正解が何か想像もつかないような致命的な誤認識は、ざっと確認してみたところ、1036枚のうち35枚だけだった(ちなみに正解は、順に「GMOペパボ株式会社」「アドビシステムズ株式会社」「日本放送協会」)。
また、会社名・組織名が記載されているにも関わらず、「(会社名)_永沢 茂」のように“無所属扱い”されていたものが、1036枚のうち30枚ほどあった。多くは、会社名・組織名が、文字フォントではなく、ロゴで記載されている名刺にこのパターンが発生していた。
いずれにせよ、誤認識の確率がこの程度であれば、たまった名刺を一気に電子化する場合にも、確認・修正作業はそれほど手間取らない。住所や部署、役職などの確認・修正までかっちり行うならばそう簡単ではないが、「会社名_氏名」だけきちんとしていれば、あとから必要になったときに探し出すには十分だ。今回、名刺の山を一気に電子化する必要に迫られたが、ScanSnap iX1500を使って正解だったと思っている。
今回はローカルPCの「ScanSnap Home」でスキャン画像ファイルを保存・管理するやり方で行ったが、保存先としてクラウドストレージも設定可能だ。ただし、保存できるのはスキャン画像ファイルのみというところが多い。PFUによると、「ScanSnap Home」のように「名刺情報」とスキャン画像ファイルを紐付けたかたちで保存したい場合は「Evernote」が対応しているという。このほか、名刺管理サービスの「Eight」とのクラウド連携にも対応しているAmazon.co.jpで購入: