IBM、全米オープンテニスのファン向けにAI活用の新たなツール--ファンタジーテニスなど - ZDNet Japan

沿って : Ilikephone / On : 19/04/2022

 IBMは米国時間8月27日、全米オープンテニス選手権に先立ち、同選手権向け公式アプリに、人工知能(AI)を活用した一連の機能拡張を実施したと発表した。同選手権はニューヨーク市で30日から開催されている。

提供:IBM

 同社が拡張した「US Open Tennis Championships」アプリとUSOpen.orgのツールによって、ファンは試合や選手に関する豊富な新情報を手にできるようになる。この機能を実現するために同社は、「IBM Cloud」上で稼働する「IBM Power Rankings with Watson」と「Match Insights with Watson」を開発した。

 Match Insights with WatsonはAIと自然言語処理(NLP)を用いて、同選手権におけるシングルスの254試合全てに関するデータをファンに提供する。また、Power Rankings with WatsonとMatch Insights with Watsonは、ESPNと全米テニス協会(USTA)の日々のテレビ番組「The Changeover」でも活用される。

 USTAのチケット販売およびデジタル戦略のマネージングディレクターであるKirsten Corio氏は、IBMとのパートナーシップによって、同選手権を試合会場で観戦する、あるいはテレビなどで視聴する世界中の数百万人のファンたちに対して、データ駆動による高度な洞察を提供できるようになると述べた。

 「IBM Cloudが舞台裏で活躍することで、われわれはリモート運用の強化と、年を追って革新されていく新機能のほか、この選手権を世界に向けて発信していくための全米オープンのデジタルプロパティーの円滑な運用のための柔軟性とセキュリティ能力を手にできる」(Corio氏)

 「Power Rankings with Watson」は、選手の過去1年間の戦績をベースに、今回どのような戦いをするのかを見出そうとするツールだ。IBMは、この情報を毎日更新していくとしている。

 こういった新機能には、「Likelihood to Win」(勝敗予想)や「Ones to Watch」(注目選手)、「Upset Alerts」(番狂わせ情報)といったものが含まれており、パーセンテージやオッズをはじめとする情報が満載されている。

 「Ones to Watch」のような一部のツールは以前から使われている。IBMは「Ones to Watch」機能を2021年のウィンブルドン選手権で使用し、Matteo Berrettini選手が躍進する可能性を見出していたという。なお、同選手は決勝進出を果たした。

 またIBMはUSTAと協力し、テニス界で初となるファンタジースポーツを開発している。熱狂的なテニスファンはファンタジーチームとして、お気に入りの男子選手4人のチームと、女子選手4人のチームを編成できるようになる。なお、トーナメントの4回戦開始までは選手を変更することもできる。そしてユーザーは、試合での勝利や、サービスエース、ブレークでポイントを得ることになる。

 IBMのスポーツおよびエンターテインメントパートナーシップ担当バイスプレジデントNoah Syken氏は、ファンが何を求めているのか、テクノロジーがこの規模の試合を実施する上でいかに役立てるかということについて、IBMは完全にオンラインで行った2020年のトーナメントから学んだと述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。