Fitbit、Garmin、Apple…どれにする?
歩数や心拍数、睡眠時間のも計測できるフィットネストラッカーのおすすめをWirecutterが紹介しています。運動、睡眠、スポーツ医療、キネシオロジーの専門家らに意見を聞き、製品を厳選した結果がこちらです。
歩数、歩幅、睡眠の記録が目に見えるフィットネストラッカーは、日々の健康、目標達成のモチベーション管理に最適なウェアラブル機器。
Wirecutterでは2015年から35種類の製品を使ってランニング、ウォーキング、水泳、サイクリング、睡眠などの活動記録を追跡。どれが正確で、使い方が簡単で、1日中装着していても快適か調査しました。移動距離、歩数、睡眠の質、カロリー消費、心拍数のどれも抜かりなく完璧に記録できたものはないものの、そのなかでも機能性、使いやすさから今一番おすすめできると判断されたのは「Fitbit Charge 5」でした。特に日中の活動記録が気になる人にもっともおすすめできます。
「Fitbit Charge 5」
見た目はシンプルで洗練されたデザイン。日中の活動を自動かつ正確に記録。GPS内蔵。使いやすい。カスタマイズ可能。
「Fitbit Charge 5」は歩数、心拍数を正確に計測でき、ランニング、ウォーキング、サイクリング、水泳などの運動を開始10分後から自動で記録してくれます。タッチスクリーンはクリアで鮮やかで、太陽の下でも見やすいです。アプリは直感的に使いやすいです。ほかのFItbitユーザーと繋がれば、モチベーション維持がしやすいはず。プレミアム版は月額640円ですが、購入すると6カ月間のメンバーシップがついてきます。エクササイズモードは20種類あり、アプリでお気に入りリストに追加することも可能。どのスマホ通知を受け取るか設定できます。ECG(心電図)アプリ対応、GPS内蔵で、スマホなしでもリアルタイムの距離データを記録できます。
バッテリー寿命:最大7日間(ウォッチモード)、最大5日間(GPSモード)
睡眠トラッキング:あり(1時間以上の昼寝含め)
防水性能:あり(最大水深50m)
心拍モニター:あり
GPS:内蔵
「Fitbit Inspire 2」
「Fitbit Charge 5」よりもバッテリー寿命が3日長く、よりスリムなシルエットが特徴。小型で、スクリーンは白黒。高度計測、内蔵GPSはなし。
よりスリムな「Fitbit Inspire 2」は、タッチスクリーンは白黒ながら、明るく鮮やか。内蔵GPSはありませんが、スマホと接続すればウォーキング、ランニングの距離やペースが計測できます。このため運動時にスマホは必携。歩数カウントの精度は若干ばらつきがありますが、心拍数計測は安定しています。「Fitbit Charge 5」にはない呼吸ガイドセッションもありますが、高度計やECG機能はなし。エクササイズモードは20種類以上あり、睡眠ステージのトラッキングもできます。別売りクリップを使えば、腕ではなく衣類に装着できます。
バッテリー寿命:最大10日間
睡眠トラッキング:あり(昼寝は含まず)
防水性能:あり(最大水深50m)
心拍モニター:あり
GPS:スマホと接続時のみあり
「Garmin Vívoactive 4S」
精度、着用感でいえばトップクラス。運動好きな人が毎日つけるのにピッタリなウェアラブル。今回紹介しているFitbitよりもっとGPSランニングウォッチに近い。
「Garmin Vívoactive 4S」は、スポーティで高度なフィットネストラッカー。日頃からよく運動をする人で、記録を詳しくチェックしたい場合におすすめ。45mmスクリーンの「Garmin Vívoactive 4」と比べると、40mmスクリーンとやや小型。着用感はトップクラスです。上記で紹介しているFitbitと比べると大きめで、ほかのGarminやPolarと比べると小さめサイズ。タッチスクリーンは(他社と比べると色合いは落ち着いているものの)鮮明で反応も良いです。スクリーン側面にあるボタンを使えばトレーニングモードと運動のスタート / ストップの切り替えが簡単にできるようになっていて、トレーニングのデータは(上記Fitbitが1つの指標のみ表示するのに対し)1度に複数の指標が確認できます。
バッテリー寿命:最大5日間
睡眠トラッキング:あり(昼寝は含まず)
防水性能:あり(最大水深50m)
心拍モニター:あり
GPS:内蔵
「Apple Watch SE」
スマートウォッチとして、日中の活動、運動、ヘルストラッキングを魅力的に表示してくれる。バッテリー持ちが短いこと、アプリの詳細さや高度さに欠けることが弱点。
「Apple Watch SE」は、アップル製品で揃えたい人におすすめのスマートウォッチ。「Apple Watch Series 7」と比べると高度さに欠けるところもありますが、その分値段が手頃なのがポイント。スクリーンは明るく鮮明で、直感的に操作できます。日中の消費アクティブカロリーの目標を達成すると3つのリングが完成するなど、ビジュアル的な魅力はアップルならでは。フィットネスアプリではさまざまな活動や運動を記録できる一方で、上記紹介した製品たちと比べると詳細さに欠けます。画面の常時オンは非対応。心拍数の精度はトップクラスで、歩数カウントやGPSトラッキングに関しても頼りがいのあるデータを出してくれます。(上記紹介した製品たちが数日持つのに対し)バッテリー持続は18時間と短め。
バッテリー寿命:最大18時間
睡眠トラッキング:あり(昼寝は含まず)
耐水性能:あり(最大水深50m)
心拍モニター:あり
GPS:内蔵
フィットネストラッカーはどんな人におすすめ?
フィットネストラッカーを使用すると、1日のうちにどれだけ体を動かしたか、データとして見えるようになります。
デバイスとしては、目標を決めて日中の活動を管理したり、運動の習慣をつけたり、睡眠を改善したり、心拍数などの健康状態をチェックするのに最適。アプリを活用すれば食事、水分補給、生理サイクルの管理も簡単にできます。どんなセンサーを搭載しているかによって機能性が変わるので、自分にとって使いやすいかも軽視できないポイント。
フィットネストラッカーのほかにも、腕につけるタイプのウェアラブル機器としてはスマートウォッチ、GPSランニングウォッチなどがあります。ただ、スマートウォッチでも日中の動きを察知したり、GPSランニングウォッチでも日中の活動、夜間の睡眠をトラッキングできたりすることから、最近ではその境界線は曖昧になりつつあります。
なかでもフィットネストラッカーは、GPSランニングウォッチよりも小型で扱いやすかったり、値段が抑えめだったり、充電が1週間に1度程度で良いのが魅力。さらに最新のフィットネストラッカーは、歩数や運動の記録にとどまらず、スマホの通知からサードパーティ製アプリまで、スマートウォッチのような機能も盛り込まれていたり、センサーにより日中の活動や夜間の睡眠についてより詳しく情報を得ることができたりします。
最後に、フィットネストラッカーが便利なことには間違いないですが、医療機器の代わりにはならず、何か健康面で気になることがあれば専門医に相談しましょう。
「Fitbit Charge 5」
Wirecutterが長年おすすめしてきた「Fitbit Charge」シリーズの最新バージョン「Fitbit Charge 5」は、日中の活動をトラッキングするのにおすすめ。使い勝手の良さ、精度の高さが期待できるはず。特に歩数カウントの精度は業界トップクラスで、誤差は約6%(Wirecutter調査)。歩行距離、心拍数データ計測もなかなかです。Fitbitの基本的なアプリは直感的で使いやすいだけでなく、他社製と比べてかなり便利。睡眠データは1時間以上の昼寝も含めてトラッキングできます。
スクリーンは明るく色鮮やか。強い日差しの下でも見やすいです。ちなみにメーカーいわく明るさは前モデル「Charge 4」の2倍。明るさは3段階(暗め、通常、最大)から選択できます。ワークアウト中に便利な画面常時オンの設定もあり。タッチスクリーンの反応も良いです。
前モデル「Charge 4」はケースがプラスチック製だったのに対し、こちらはアルミニウム製。バンド部分は柔軟で快適なシリコン製で、取り替えも可能。ウォッチフェイスは20種類以上あり、カスタマイズに便利です。
アプリ通知は設定から変更可能。アンドロイドユーザーの場合、メッセージや絵文字のプリセットが5種類ずつあるので素早く返信するのに重宝するはず。iOSユーザーの場合、メッセージを返信するオプションはなし。非接触型決済のFitbit Pay対応。
Wirecutter調査では、日中の活動を計測するのにウォーキング、ランニング、サイクリングなどを行なったところ、開始後10〜15分経つと自動で活動を記録。
心拍数データは、ランニング(休憩なし)では高い精度が期待できる一方、インターバルありのウォーキング、ランニングでは多少乱れることがあります。ワークアウト中の心拍数はアクティブ・ゾーン時間(分)と呼ばれる機能で脂肪燃焼、有酸素運動、ピークといった3種類のゾーンに分けて表示されるため、どれくらいハードに運動したかがわかるようになっています。これは年齢、安静時の心拍数に基づくもので、特定のゾーンに達すると通知が届きます(特定の運動だけオフ設定にすることも可能)。もちろん、あとからアプリで確認することもできます。
上のGIF動画のように、インターフェイスはかなりシンプル。ホームスクリーンから上下にスワイプすることでさまざまなメニューにアクセスできます。他社製のデバイスのなかには、アイコンだけ表示されるため何の機能かわかりづらいものもありますが、「Fitbit Charge 5」はラベルとアイコンの両方が出てくるので不便に感じることはないはず。
バッテリーの減り対策に「Screen Wake」機能を使用すると、手首を回すことでスクリーンを起動できます。マニュアル設定にすれば画面タップでスクリーン起動、ダブルタップでホームスクリーンに移行するといった操作も可能(ただし慣れるまでは、ワークアウトを開始したりタイマーをいじったりする誤作動も)。
エクササイズモードを使用すると、ブートキャンプやハイキングなど20種類のトレーニングや、インターバルタイマーの設定もできます。時間、距離、消費カロリー、心拍数ゾーンなどゴールを決めて取り組めるのが便利な一方で、(「Garmin Vívoactive 4S」や「Apple Watch SE」のように画面1つですべてのデータを見られるわけではなく)スクロールして各項目をチェックする必要があります。
GPS内蔵なのでリアルタイムで距離やペースを計測でき、運動中にスマホを持ち歩く必要はありませんが、電池の減りが早いのが弱点です。シグナルを取得するまでにはだいたい20〜30秒かかり、つながると画面に通知がきます。ニューヨークのセントラルパークにある4.92マイル(約8km)ループをランニングした際には5.08マイル(約8.2km)、1.4マイル(約2.2km)ウォーキングした際には1.43マイル(約2.3km)と記録されるなど多少の誤差はあります。GPSのパフォーマンスはまぁまぁ良好ですが、たまに途切れて再接続されることも。
1日のゴール達成を目指すための通知機能はカスタマイズ可能。1時間250歩を目標に、座りっぱなしの場合リマインダー機能もありますが、設定をオフにすることもできます。目標達成の内訳のほか、活動/安静時間はアプリで詳しく確認したり(下の画像参照)。そのほかでは手洗いや水分補給のリマインダー、心拍数が標準値からズレたときには通知するよう設定したりできます。
SpO2センサーは睡眠中の血中酸素レベルを、新しいEDA(皮膚電気活動)センサーはストレスレベルを測定します。EDAは3分間で反応が少ないほど落ち着いていることを示します。
ECG(心電図)アプリでは心拍数の変化を測定し、「今日のエナジースコア」では睡眠と心拍数の変化から算出し、その日どれくらいハードに運動すべきかを知る指標になります。
他社アプリと比べて、Fitbitの基本的なアプリは直感的に使いやすいです。ソーシャル的な要素からモチベーションを保ちやすかったり、詳細を確認するのにどこを見れば良いかわかりやすかったりして便利です。食事、水分、月経周期の記録もできます。アプリ内には各指標に関するお役立ち情報もあります。
購入時には、月額640円の「Fitbit Premium」を6カ月無料で試せるのでお見逃しなく。高度な睡眠・ストレス分析など健康管理に関する機能が利用できます。
「Fitbit Charge 5」の睡眠トラッキング機能では、心拍数と加速度センサーの動きにもとづいて睡眠段階(目覚めた状態、レム睡眠、浅い睡眠、深い睡眠)を計測。ただし、睡眠段階データを得るには3時間以上の睡眠が必要。心拍変動のデータを用いて各段階への移行を計測するため、医療的な統計というよりもあくまで推定値だといえます。
おやすみモードをセットすれば、就寝中の通知をオフにして画面を暗くすることができます。アラーム設定は、手首で目覚ましの機能(スヌーズやバイブレーション)を使えます。「強」に設定すると振動音が強いですが、そうでなければ隣で寝ている人を起こしたくない場合にも便利です。
Fitbitによれば、1度の充電で最大7日のバッテリー駆動時間が期待できます。Wirecutter調査では、ワークアウトを数回、自動検出されたアクティビティを数回行なっても2昼夜でたっぷり69%の残量がありました。バッテリー残量は、アイコンとパーセンテージの両方で表示されるのでわかりやすいです。
ここからは、「Fitbit Charge 5」の多少気になるところについていくつか。1つ目は、20種類以上アクティビティを記録できる一方で、1度にデバイスで確認できるのは6つまでであること。日常的に行なう運動の種類が6つ以内であれば問題ないですが、そうでなければ項目を入れ替える作業が必要になります。「Garmin Vívoactive 4S」や「Apple Watch SE」では1度に6種類以上のアクティビティを記録できます。
2つ目は、水泳の時間や距離など、一部の指標や目標設定を使えないこともあります。この点は「Garmin Vívoactive 4S」ならできます。
3つ目は、GPS接続がたまに不安定になること。DC Rainmakerのレビューによれば、バンドの装着がキツすぎるとGPSが繋がらないという説も出ています。ただ、逆にゆるくしすぎると心拍数の計測がうまくいかないので注意が必要です。Wirecutter調査では、スマホなしで3マイルのランニングに出かけた際にはペースを多めに見積もっていたり、ルートマップは迷いがちで、2.5マイル(約4km)のウォーキングが0.5マイル(約800m)少なかったりすることもありました。それ以外では、スマホありでランニングに出かけると数秒でGPSに接続し、安定して正確にトラッキングしていたことも。
4つ目は、ガイド付き呼吸セッション(アプリなしでは)や、Spotifyの操作など、前モデルの「Charge 4」ではできたことができない点。これは「Garmin Vívoactive 4S」や「Apple Watch SE」ではできます。
「Charge」シリーズの旧モデルはバグが多いと報告されていましたが、欠陥品の交換に関するFitbitのカスタマーサービスの対応はかなり好評。ただ、1年の保証期間を過ぎると(ほかのメーカーと同様)あまり多くの選択肢は期待できません。
最後に、FitbitがGoogleに買収されて以降、プライバシーの専門家から懸念の声があがることもあります。EUでは、Fitbitデータをパーソナライズ広告に使用しない合意がされていますが、今後Googleが情報をどのように扱うかを予測するのは難しいです。この点が気になる場合には「Garmin Vívoactive 4S」の方がおすすめです。
「Fitbit Inspire 2」
「Fitbit Inspire 2」は、上記で紹介した「Fitbit Charge 5」と比べると小型で軽量。カラーディスプレイ、高度計、非接触型決済などの機能やECG(心電図)、SpO2(酸素飽和度)センサーはなく、見た目も使い勝手もシンプルなのが特徴。とはいえ、日中の活動トラッキング、アクティビティの自動検知、座りっぱなし防止のリマインダー、心拍数モニタリング、安静時の心拍データ、睡眠段階トラッキング、運動中のリアルタイム計測に便利なGPS接続、20種類以上のエクササイズモードなど機能性はたっぷり。
OLEDスクリーンは明るく鮮明ですが、直射日光下では見づらいことも。画面の常時オン機能はなし。画面起動やホームスクリーンへ戻る際には、デバイス側面をギュッとねじってメニューをスクロールする必要があります。(「Fitbit Charge 5」では縦に横にスワイプをしてモードやメニューを行き来できますが、「Inspire 2」は縦方向のみといった違いも。)付属のシリコンバンドは柔らかく快適です。
バッテリー持続は1度の充電で最大10日間と、「Fitbit Charge 5」よりも3日長め。Wirecutter調査では、2日間連続で装着してアクティビティをこなしていた際、「Fitbit Charge 5」では69%まで減った(おそらく内蔵GPSによる)のに対し、81%も残っていたのが印象的。
ほかの手首につけるタイプのウェアラブル機器と同じく、歩数カウントの精度は(実際の歩数でなく腕の振りがカウントされるため)完璧ではありません。屋外をウォーキングした際には、約15歩数だけズレていた程度。日中の歩数カウントは30%多めで「Charge 5」と比べたら結構な誤差を出しています。
その他のアクティビティでは、30分のランニング、21分のウォーキングなど正確に自動検知してくれます。心拍数テストのパフォーマンスも堅牢。Fitbitアプリのプレミアム登録者は、心拍数の変動と睡眠をもとに推算された「今日のエナジースコア」を確認でき、どれくらいハードに運動すべきか目安がつかめます。
「Charge 5」と同様、睡眠段階(目覚めた状態、レム睡眠、浅い睡眠、深い睡眠)を計測。起床時間、睡眠合計時間、睡眠スコアも確認できます。トラッカーは動きや心拍数パターンから睡眠を検知しますが、3時間以上眠らないと睡眠段階は表示されません。アプリ内では、手動で昼寝を登録することができます。アラームはアプリからセットできるようになっています。
さまざまなフィットネストラッカーアプリを試してみて、Fitbitほどインターフェイスがシンプルで、使いやすいものはなかなかありませんでした。プレミアム版は月額640円で、より詳しく指標をチェックできます。文字盤は(「Charge 5」と同様)様々な種類から選ぶことができます。
「Inspire 2」は、手首に装着するほか、衣類につけるクリップアクセサリー(別売り)もあります。
「Garmin Vívoactive 4S」
運動する習慣がある人で、日常の活動を細かくトラッキングすることに興味がある場合には「Garmin Vívoactive 4S」がおすすめ。実用的で、GPSランニングウォッチの代替品としても優秀なはず。歩数、心拍数などの基本的なところから、ストレス、呼吸数など基本以上のものまでしっかりモニターするほか、多数のアクティビティモードや運動のインストラクションを提供。Fitbitではできないような、ワークアウトのカスタマイズも可能です。
カラータッチスクリーンは、色合いが(他社モデルと比べて)控えめですが、鮮明で反応が良いです。見た目も使い心地も似ている、同社の「Garmin Venu 2S」ではより高度な機能、高解像度な画面、バッテリー寿命の長さ(プラス3日)が期待できます。
「Garmin Vívoactive 4S」の画面横にある2つのボタンでは、ワークアウト(上)と一般設定(下)の切り替えができて、ランニングウォッチに近いエクスペリエンスが得られます。もちろん、座りっぱなし対策のリマインダーや目標達成の通知などフィットネスウォッチの性質も。サイズは40mmで、45mmの「Garmin Vívoactive 4」と比べるとやや小型です。
歩数や距離の計測に関しては、Wirecutter調査でもっとも精度が高かったトラッカーのひとつだといえます。心拍数データも頼りがいがあります。運動に関しては、ランニング、サイクリング、ヨガ、水泳、クライミングなどを含め20種類以上のエクササイズモードがあります。Garmin Connectアプリでは、様々なワークアウトを同期することも可能。ワークアウトを端末にアップロードするとアニメーションのデモ動画を再生できて便利です。
アクティビティの自動検知は若干気になる部分もあって、たとえば30分のランニングであれば問題ないのですが、ウォーキングをランニングと勘違いすることも。特にベビーカーを押している際、サイクリングだと検知しがちに(ただしこれは、他社製品でもよくあること)。
「Vívoactive 4S」では座りっぱなし対策だけでなく、休むことも同じように重視しています。睡眠の深さ、起床時間、呼吸をモニタリングしますが、昼寝の自動記録はなし。「ボディバッテリー」機能でいつ休むべきかが示されます。
非接触型決済のGarmin Payを使えたり、ヘッドホンとペアリングしてSpotifyやAmazon Musicから音楽を聴いたりできるなど、スマートウォッチのような機能もあります。たとえばワークアウト中でも、スマホのポッドキャスト再生を手首で操作できるのは便利です。2日間連続で使用したところ、バッテリー駆動時間は48%まで低下。上記で紹介した他社モデルと比べると電池の減りが早いですが、トレーニング、音楽、GPSモードの使用、画面の明るさを上げると当然なのかもしれません。
2020年にGarminは、ランサムウェア攻撃を受けて数日間サービスが一時停止になり、数億円の支払いに応じたという出来事も報じられていました。同社によれば顧客データの流出はないとのこと。
「Apple Watch SE」
「Apple Watch SE」は、iPhoneユーザーにおすすめの低価格スマートウォッチ。健康や運動データをアップルのエコシステム内で管理したい人、「Apple Watch Series 7」ほど高度な機能は必要ない人にぴったりです。
「Apple Watch SE」には40mm、44mmの2種類サイズがあります。画面は明るく鮮明で、バンドは快適。高度計はある一方で、「Apple Watch Series 7」にある画面の常時オン機能や、血中酸素濃度がわかるSpO2センサーはなし。現在はwatchOS 8。
消費アクティブカロリーの目標を達成すると、3つのリング(「エクササイズ」、「ムーブ」、「スタンド」)が完成するので、視覚的にわかりやすいです。基礎代謝の推定値、検出した動き、心拍数をもとに、消費アクティブカロリーの目標が決まります。
「Apple Watch SE」では、歩数カウントよりも最低限の運動量(30分)、半日のあいだで1時間に1回以上動くことを重視。もちろん、こうした目標はカスタマイズ可能。数字にこだわる場合には歩数、階段の上り回数、立ち時間、運動時間、ワークアウトアプリ内の特定の運動の時間などを確認することもできます。
ウォーキング、ランニング、水泳、ボート漕ぎなどの特定の運動を始めると、デバイスが3〜10分で自動検知します。Wirecutter調査では、高パフォーマンスな印象です。フェンシング、スカッシュ、釣りなど多くのワークアウトモードを選べるのも特徴。歩数カウントは精度が高く、Wirecutter調査では2日間で21%多めに計測されていました。屋外でのウォーキング、ランニング、ハイキング、サイクリングを記録するのには、内蔵あるいはスマホのGPSが使用されます。約2.2kmの屋外ウォーキングは2.3kmと表示されるなど、誤差はわずか。上り道の多いハイキングもかなり正確なルートマップができていたのが印象的でした。「Fitbit Charge 5」と比べると、平均的なペースがより正確。
画面の常時オン機能はないですが、腕を振り上げるとすばやく画面起動するため、運動中に余計な動作をせずに済みます。「Series 7」とは異なり、ECG(心電図)機能はありませんが、心拍数テストのパフォーマンスは良好。睡眠中に心拍数が下がった際には通知がありました。
iPhoneのヘルスケアアプリで日中の活動や運動、夜間の睡眠や心拍、呼吸などのデータをチェックできます。
睡眠アプリはセットアップが簡単で、睡眠スケジュールを保つのに便利。指標は、睡眠時間、平均睡眠時間、平均就寝時間、呼吸数など。睡眠段階はなし。
1度の充電で18時間バッテリー駆動時間が期待できますが、この数字は(他社トラッカーが数日間であるのと比べると)かなり短め。Wirecutter調査では、デスクワークを終えて、ワークアウトやウォーキング、家事などを記録しているうちに35%まで減っていました。夜間の睡眠を記録することも踏まえると、1日に1度は充電する必要がありそうです。
デバイスのメーカー保証期間は1年。
その他おすすめフィットネストラッカー
プレミアムな機能がたくさん詰まったおしゃれなフィットネストラッカーを探しているなら「Garmin Venu 2S」がおすすめ。見た目は「Garmin Vívoactive 4S」にも似ていますが、機能性に違いあり。両者の価格は通常70ドル(約8,000円)ほどの差がありますが、好みや目的に沿うのであればその価値はあるはず。サイズは45mmで、より小型(40mm)な「Garmin Venu 2」もあります。Wirecutter調査では内蔵GPS、心拍数の精度、歩数カウントも好印象。25種類以上と多めのエクササイズモードのほか、筋力トレーニングやヨガなどのワークアウトモード、高強度インターバルトレーニング(HIIT)もあり。スクリーンは明るくクリア。内蔵音楽ストレージは最大650楽曲。常時オンディスプレイ、バッテリー駆動は最大10日間。装着しやすいです。ホームスクリーンはカスタマイズ可能、スクロール可能。
表示価格は執筆現在のものです。変更の可能性がありますので、販売ページをご確認ください。
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