自動デフラグの実行タイミングを変更する
Windows 7以降、PCに接続したストレージは自動デフラグの対象となる。Windows 8.1の場合、HDDは基本的なフラグメント(断片化)の解消、SSDならTrimコマンドの実行を一定のスケジュールで実行する仕組みだ。しかし、大容量化が進むHDDの自動デフラグは、場合によって日常業務を妨げかねない。そこで「ドライブの最適化」に関する設定の見直し方法を紹介しよう。
自動デフラグの仕組み
HDDは構造的に、ファイルが断片化(データが連続配置されず各所に点在した状態)すると、ヘッドの移動時間が増える。必然的に、アクセススピードの低下につながる。結果、PC全体のパフォーマンスやWindows 8.1に応答性にも影響を及ぼし、いわゆる「遅いPC」となってしまうのだ。そのためWindows 7は、毎週夜半にデフラグを実行するスケジュールを定めている。
Windows 7の自動デフラグ(ディスクデフラグツールのスケジュール)設定。毎週深夜に実行する |
Windows 8.1も同様の設定ダイアログを用意しているが、頻度選択は毎日/毎週/毎月のみ。実行時刻を選択する項目は取り除かれた。これは自動デフラグが必要か否かという、断片化状態を確認するタスクを実行しているからである。
Windows 8.1の自動デフラグ(ドライブの最適化)設定は、実行時刻を選択する項目が省かれた |
タスクスケジューラのタスク実行タイミングと、自動デフラグの実行タイミングが同時刻であることが確認できる |
どのような条件でタスクを実行しているかは確認できなかったが、興味深いのは実行時のオプションである。コマンドラインからヘルプを確認したところ、「優先度"通常"で各メディアに適した最適化をすべてのボリュームに実行する」というものだが、唯一「$」の説明が見当たらない(下図)。オプション「$」を取り除いた状態で動作を確認してみたが、空き領域の統合など最適化処理に関して違いを確認することはできなかった。
自動デフラグのタスクで実行する内容。普段見かけないオプション「$」を付与している |
オプション「$」あり/なしでコマンドラインから実行してみたが、その違いを確認することはできなかった |
自動デフラグの実行タイミングを変更する
ユーザーレベルでは制御できない自動デフラグだが、重要なのは実行頻度である。上図でも示したように、自動デフラグは既定で「毎週」実行するが、PCの使用頻度が低い場合は、そこまで頻繁に実行しなくてもよい。
毎日PCを使用する場合も、大量のファイルを操作するようなケースを除けば、「毎月」程度で構わないだろう。こちらの設定は「ドライブの最適化」ダイアログのドロップダウンリストから「毎月」を選択すればよい。
「Win」+「R」キーを押すなどして「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「dfrgui.exe」と入力して、「OK」ボタンをクリック/タップする |
「ドライブの最適化」が起動したら、「設定の変更」ボタンをクリック/タップする |
ドロップダウンリストをクリック/タップで開き、一覧から「毎月」を選択して「OK」ボタンをクリック/タップする |
これで、2in1 PCを開いていざ作業を……といった場面で自動デフラグに悩まされることは減るはずだ。また、SDカードやUSBメモリーといったリムーバブルメディアを装着した場合、自動デフラグの対象に含まれる。こちらは「選択」ボタンを押すと現れるダイアログにて、「新しいドライブを自動的に最適化する」のチェックを外しておくか、一覧からリムーバブルドライブのチェックを手動で外そう。
「新しいドライブを自動的に最適化する」もしくは一覧に並ぶリムーバブルドライブをクリック/タップしてチェックを外し、「OK」ボタンをクリック/タップする |
阿久津良和(Cactus)