図1 Firefox 91へのアップデート
アップデート後のFirefox 91は、図2のようになる。
新規に、Firefox 91をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[今すぐダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能や変更点のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 91の新機能
続いて、新機能であるが、今回のリリースでは、以下の新機能の追加が行われた。
まず、Total Cookie Protectionであるが、Firefox 86で導入された機能である。それぞれのWebサイトごとに、Cookieなどの履歴情報をcookie jarに保存するようになった。結果として、クロスサイトでのトラッキングを困難にしている。
Enhanced Cookie Clearing(強化されたCookieの削除)では、Total Cookie Protectionをさらに発展させ、より厳格なCookie削除を行う。具体的に説明すると、Webサイトの多くには、Facebookのいいねボタンなど、他のWebサイトのコンテンツが埋め込んであることがある。これまでのFirefoxでは、このような別のWebサイトで読み込まれたコンテンツは「閲覧中のサイトとは別のサイト」として扱われていた。したがって、現在、閲覧中のWebサイトのCookieを削除しても、他のWebサイトのコンテンツ(いいねボタンなど)のCookieなどは残ってしまう。つまり、ユーザーが特定のサイトからのトラッキングを拒否しようとCookieを削除しても、トラッカーは別のWebサイトの扱いとなりトラッキングができてしまう。
Enhanced Cookie Clearingでは、facebook.comのいいねボタンを含め、残っている履歴データのすべてを削除する。Cookieやローカルストレージ(localStorage)以外にも、Webサイトの設定やHTTPキャッシュのようなキャッシュデータもまとめて削除するため、Webサイトの痕跡を簡単にFirefoxから消去できる。 この機能を有効にするには、強化型トラッキング防止機能を[厳格]モードにする必要がある。
また、Firefox 91では、Webサイトごとにcookie jarに保存されたCookieの総数を表示する。[プライバシーとセキュリティ]の[Cookie とサイトデータ]→[データを管理]からCookieとサイトデータを管理を表示する。
図6からもCookieの削除は可能であるが、バーガーボタンの[履歴]から各Webサイトを選び、メニューの[このサイトの履歴を消去]からも行うことができる。
復活した印刷機能の[ページを単純化]であるが、図8のように[元のページ]では、表示されたWebページに近い形で印刷される。
メニューにある[ページを単純化]を選択すると、図9のようになる。
まさに、単純化されていることがわかる。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで12件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が8件、上から3番目の「Moderate」が2件、もっとも低い「Low」が1件となっている。
「High」では、
となっている。最高レベルの「Critical」はないが、早めのアップデートをすべきであろう。
また、Firefox 91をベースとした法人向け延長サポート版Firefox 91.0 ESRもリリースされた。問題がないようであれば、Firefox 78 ESRから移行すべきであろう。