Instinct 2/2Sシリーズ(一部)
ガーミンは、アウトドア向けのGPSウォッチ「Instinct 2」シリーズを2月11日に発売する。本稿では実機の写真や、前モデル「Instinct」からの進化点、製品の見どころなどを紹介する。
Instinctシリーズは、ガーミンのGPSウォッチの中でもアウトドア向けの機能を全面に打ち出したシリーズ。カジュアルなアウトドアから登山を含め本格的な屋外スポーツもカバーする。MILスペック準拠の頑丈さが特徴で、ソーラー発電対応版もラインナップしてロングバッテリーを実現するシリーズになっている。ミリタリーとサーフィンについては専用機能搭載モデルもラインナップする。
Instinct 2 Dual Power Tactical EditionInstinct 2 Dual Power Tactical Edition Coyote Tan
Instinct 2世代では、新たにケース径を小さくした「Instinct 2S」シリーズが加わる。どちらのシリーズにも、ソーラー発電非対応のベーシックモデルと、ソーラー発電対応の「Dual Power」モデルがラインナップされる。
ケース径40mmのInstinct 2SInstinct 2S Poppy
ソーラー発電が強化
Instinct 2の最大の進化ポイントは、ソーラー発電に対応する「Dual Power」の性能が強化された点。新開発のソーラー発電パネルとICの効率化により充電効率が向上、スマートウォッチモードでは消費電力をソーラー発電で補うことができ、バッテリーライフが無制限とうたう。
ただしソーラー発電の条件もある。それは「1日中装着し、屋外の5万ルクスの条件下で3時間」というもの。5万ルクスの明るさは、冬の晴天、夏なら曇り空に相当する。キャンプなど屋外で長時間過ごすなら、当てはまると言える。
もっとも、ロングライフバッテリーとして、スマートウォッチモードではソーラー発電なしでも最大28日間の稼働が可能になっており、スマートウォッチ/GPSウォッチとして十分な稼働時間を確保している。バッテリー消費の多いGPS+光学式心拍計モードでも、ソーラー発電により18時間延長でき、合計で最大48時間(2日間)の稼働が可能。
また、バッテリーが無くなり電源がオフになってしまった状態でも、明るい場所に置いておくとソーラー発電で充電が行われ、USB不要で電源をオンにできるようになる。明るさの条件にもよるが、数時間の充電で電源をオンにできるようになるようだ。
なお、ソーラー発電パネルはディスプレイの周囲にある黒い部分。コーニングのGorilla Glass DXとセットで使用される。
Dual Power対応モデル(右)は文字板上に「DUAL POWER」と表記される
ディスプレイ、Suica、VO2 Max
ディスプレイ解像度が向上し、Instinctの128×128ドットに対して176×176ドットになった。文字などはわずかだが綺麗に表示されるようになっている。小型のInstinct 2Sは156×156ドット。
前モデルの「Instinct」(右)との比較。ディスプレイ解像度が向上した
Instinct 2/2Sの全15モデルが、新たにSuicaに対応、非接触決済を利用できる。利用にはスマートフォンと連携し設定が必要。Dual Power対応モデルについては、Garmin PayとしてサポートするSuica以外の決済方法(クレジットカード)にも対応する。
このほかVO2 Max(最大酸素摂取量)の算定機能も新たに搭載している。これは、Instinctシリーズに興味を持つランナーが、VO2 Max機能を重視していることに対応したもの。
裏蓋に光学式心拍センサーなどを搭載
Surf Edition、ウィンドサーフィン対応
Surf Editionの新機能として、アクティビティにウィンドサーフィンが追加された。ジャンプの高さも記録可能で、移動距離や速度などを記録できる。
スマートフォンアプリと連携することで、サーフィンスポットの定点カメラで自分と乗った波を撮影できるサービス「Surfline Sessions」も利用可能。
Surf Editionの特徴は、サーフィンした波の数や速度、移動距離などを記録できるという機能。現在地や任意の地点の潮汐表の表示にも対応している。
Surf Edition
Tactical Edition、捕虜になったらキルスイッチを
Tactical Editionには新たに、敵勢力に捕縛された際に使用するという、時計内のデータをすべて消去しオールリセットする「キルスイッチ」が追加されている。「CTRL+SET」(左上と右下のボタン)を同時押しすると起動でき、10秒のカウントダウンがスタート、カウントダウン中にボタンのどれかを押すと解除できる。
Tactical Editionの特徴は本格的なミリタリー機能を搭載している点で、GPSをオフにできるステルスモード、暗視ゴーグル使用時に見やすいようバックライトを低輝度にするナイトビジョンモード、スカイダイブ時に目的地点までの下降ルートをナビゲートするジャンプマスター機能などを搭載している。
ほかにも音を立てずにバイブのみを設定可能な目覚まし機能を搭載。位置情報の表示は緯度経度だけでなく、米軍やNATOでも利用されているグリッドコード「MGRS」の表示も行なえる。MGRSの表示はInstinctシリーズ全モデルが対応する。
なお、Tactical Editionは陸上自衛隊のPXでも販売されているとのことで、着用している自衛官からは好評という。