【知財特集】知的創造サイクルの活性化に挑む 日本弁理士会 | トピックス ニュース | 日刊工業新聞 電子版

沿って : Ilikephone / On : 13/12/2022

 そこで「知財広め隊」を創設する。全国100カ所程度でセミナーを予定しており、知財の実践的活用方法や失敗事例を紹介するほか、知財金融や補助金制度の利用方法などすぐに使える内容を含める方針だ。

 「中小企業支援セミナーワーキンググループ」を中心に関係省庁、各種団体などと連携を取りつつ実施する。「知財広め隊」を足がかりに新規クライアントを発掘。訪問型コンサル件数を増やす。同時に弁理士知財キャラバンとのコラボレーションにより、コア業務の拡大につなげる。

 弁理士の周辺業務拡大策の一つとして、タイムスタンプを利用した技術情報の秘匿化業務ならびに標準化を含めた「オープン・クローズ戦略」などについての相談業務などを対外的に広めるとともに、会員に対しても啓発していく。

一方、会員に有益な施策を充実させるために、業務に即した研修を拡充する。ある程度実務経験を積んだ弁理士を対象とした育成塾や演習型の実務研修などを想定。周辺業務を含めた実務能力の向上を図る。

 他方、知財の普及活動の強化、弁理士の知名度向上にも注力する。広報のプロを招聘し、広報活動の目的、ターゲットなどを検証。教育機関などに対する知財リテラシーの普及啓発を推進するため、学習指導要領の充実を通した知財教育の普及啓発を文部科学省に働きかける。

 日本弁理士会の組織改革も継続して行っていく。今年度からは知的財産評価推進センター、知的財産経営コンサルティング委員会、知的財産活用推進委員会、キャラバン統合ワーキンググループを統合した「知的財産経営センター」が始動。

 さらに複数年にわたり継続検討するべき中長期課題に関する諮問の管理とその結果の活用を図る組織の設置に向けてワーキンググループを立ち上げる。第四次産業革命に伴う知財政策変化などの課題に関し、有益な情報を発信する。

 また、20年の東京五輪・パラリンピックを見据え、日本弁理士会が貢献できることを検討する。広報・教育活動への協力や競技種目・施設に活用される知財の事例を調査分析して、知財とオリ・パラの関係を周知していく考えだ。19年には弁理士制度120周年が控える。記念事業を行う準備組織も発足する方針だ。