[京セラの逆輸入スマホ「DIGNO T 302KC」] iPhone祭の中でランキングに食い込んだ謎に迫る - ケータイ Watch

沿って : Ilikephone / On : 04/03/2022

DIGNO Tが生まれた背景

 DIGNO Tの魅力の一つは、防水・防塵・耐衝撃、スマートソニックレシーバーといった性能面での実用性を追求しながら、一括4万円程度という販売価格を実現しているところだ。最終的な売り値を決めるのはY!mobileということになるが、こうしたバランスを実現できる背景には、DIGNO Tの生い立ちが関係している。

 米国の携帯電話会社のSprintの子会社でプリペイド事業を行うBoost Mobileでは、6月から「Hydro ICON」の名称でDIGNO Tと同じ外観をしたスマートフォンを販売している。

Hydro ICON(左)とDIGNO T 302KC

 京セラ 通信機器事業本部 通信機器営業統括部 マーケティング部 第2商品企画部商品企画1課PM1係 係責任者の茨木敦子氏は、Boost Mobile側での販売の状況について、「調査会社のデータになるが、Boost Mobileさんでは7~8月のトップセールスというような情報もある。ユーザーからの声としては、防水や耐衝撃といったところがまずウケており、ディスプレイがきれいだとか、LTEでサクサク動くだとかいったところを評価いただいているようだ」と語る。T-mobile、Metro PCSからも同じ外観で「Hydro LIFE」という名称でカメラやネットワークなど、仕様が若干異なるモデルが8月からも販売されている。

茨木敦子氏

 茨木氏は、「Boost MobileさんはSprintグループの中のプリペイドブランドとなるため、価格コンシャスな方がお買い上げになる商品が多いということで、なるべくお買い求めやすい価格を実現しつつ、かなりの機能を盛り込んだ。店頭価格が149ドルということで、ミッドレンジの商品に位置付けられている」と説明する。

 実使用にあたって大事な機能を損なうことなく、こうした価格意識をベースに設計・開発された端末だけに、日本でも価格競争力を発揮できるというわけだ。

 京セラ 通信機器関連事業本部 国内第2マーケティング部の川居伸男氏は、「元々北米向けに開発していたところに、ちょうどイー・アクセスさんとウィルコムさんが合併することになり、Y!mobileさんのユーザーにもマッチするのではないかということで、DIGNO Tを提供させていただくことになった」と振り返る。

 ソフトバンクは、Sprintと端末を共同調達するという施策を発表し、シャープ製の「AQUOS CRYSTAL」がその第1弾として明らかにされたが、今後は傘下のY!mobileもその枠組みの中に取り込まれていくのかもしれない。