トークセッション
製品紹介のあと、トークセッションが開催された。
トークセッションには、ソニーの中村氏と伊藤氏に加え、ナイアンティック 代表取締役社長 村井説人氏、スポティファイジャパン 代表取締役 トニー・エリソン氏、日本マイクロソフト 執行役員常務 渡辺宣彦氏が登壇した。
「LinkBuds」の使用感について、ナイアンティックの村井氏は、「3つすごいなと思ったことがあって、ひとつは音がとてもクリアなこと。もうひとつは、今の生活環境では電話で(イヤホンを)使うこともあるのですが、そのときの通話品質がとても良かった。また、外の音もしっかり入ってくるため、安全に使える点にも驚いた」とコメント。
村井氏
スポティファイジャパンのトニー氏は、「(LinkBudsが)家族で奪い合いになった。新鮮なコンセプトで非常に盛り上がったので、今年のプレゼントはこれで決まり」と笑顔を見せた。
また、日本マイクロソフトの渡辺氏は、「音楽を聴いてみたところ、意外と没入感があった。音の深さも体感でき、非常にいい体験になった」と語った。
トニー氏渡辺氏
パートナーとの協業による新たな体験の創出について、ソニーの中村氏は「LinkBudsの構想が出たのは数年前の話だが、そのときすでに『ハードウェアのスペック勝負の製品ではなくて、ユーザー体験や新しいサービスをつくっていくことが必要』と感じていた。そこからパートナーの方といろいろな話をしてきて、(3社に)今日来ていただいたという状況で、感無量だ」とコメント。
位置情報ゲーム「Ingress」などを手がけるナイアンティックは、ソニーとの協業により、さらに新しいAR(拡張現実)体験を目指す。
「Ingress」について“地球を舞台にして、世界中でやり取りする陣取りゲーム”と表現した村井氏は、「(Ingress内で)今までは映像で表現していた場所に関して、そこに近づくと音が聞こえてきたり、どの陣営のものなのかを音で表現したりできるようにしたいと考えている」と語った。
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続いて日本マイクロソフトの渡辺氏は、3Dオーディオマップアプリ「Soundscape」について言及。同アプリは、地図データを3D音声で伝える機能などを搭載しており、「LinkBuds」の発表にあわせて日本語版がリリースされた。
コンパス・ジャイロセンサーによって頭の向きを認識する「LinkBuds」との連携により、ユーザーはスマートフォンを持たずに目的地からの音声を聴けるようになる。
渡辺氏は、ダイバーシティ&インクルージョンを推進するマイクロソフトの姿勢を引き合いに出し、「たとえば視覚に障害のある方でも、安全に街歩きを楽しんでいただける」と語った。
また、新型コロナウイルスの影響でコラボレーションツール「Microsoft Teams」の利用が増えていることを踏まえ、「Teamsにおける(ソニーとの)協業も模索していきたい」とした。
スポティファイジャパンのトニー氏は、「『世界中の人々にいつでもどこでも音楽などを届ける』という我々のミッションと、“生活密着型のリスニング環境”を届けるLinkBudsのビジョンが、不思議と合致している印象を受けた」とコメント。
「LinkBuds」は「Spotify Tap」機能と連携しており、手軽に音楽のコントロールなどを行える。トニー氏は、「先週からLinkBudsを使っていて、『これだけシームレスにSpotifyを使えるなんて』と会社のメンバーや家族に自慢していた」というエピソードを披露し、「世界中のSpotifyユーザーに体験してほしい」と語った。