Netflixが新たに開始したテストは、将来的にユーザーがアカウントを共有できないようにすることを示唆している可能性がある。
この1週間で、Netflixは複数の国のユーザーに対して、「このアカウントの所有者と同居していない場合、視聴を続けるにはご自身のアカウントが必要になります」と警告を表示する認証システムを導入した。これはGammaWireが最初に報じている。
このテストでは、ユーザーはSMSやメールでアカウントを認証するか、もしくは「後で認証」ボタンを押すだけだ。また、新たにアカウントを設定するオプションも用意されている。
IGNがNetflixにコメントを求めたところ、「このテストはNetflixのアカウントを使用しているユーザーが、利用する権限を与えられているか確認するためのものです」と回答があった。
現在の形式では、「後で認証」を選択しても使用中のアカウントからユーザーが排除されることはない。また、今のところはテレビ端末でのみ表示される。現時点で、このテストは一部の市場に限定されているようだ。
今回のテストは、これまで目をつぶってきたアカウント共有に対するNetflixの姿勢が大きく変わったことを示している。アカウントを共有することは違法というわけではないが、Netflixに掲載されている利用規約には違反している。Netflixはすでに緩やかなアカウント共有の防止策を講じており、1つのアカウントで同時に視聴できるデバイスの数を制限している。しかし、今回のテストはNetflixのポリシーをユーザーにはっきりと思い出させるものだ。
2016年にはNetflixの共同CEOであるリード・ヘイスティングスがアナリストに対し、アカウント共有はストリーミングサービスに付随するものだと説明していた。「アカウント共有は、共生することを学ばなければならないものです。配偶者や子供など、合法的なアカウント共有はたくさん存在します。ですから、明確な線引きはありませんが、今のままで問題ありません」
Netflixは2020年末時点で全世界の加入者数が2億370万人になった。ここ2年でParamount+、HBO Max、Disney+などがサービスを開始するなど、ストリーミングサービスはますます増えており、アカウント共有を取り締まることは、Netflixが今後も加入者を増やし続けていくためのひとつの手段のようだ。