まさか2019年にこんな再会が見られるだなんて!?
ある朝起きてみると、公式に映画『E.T.』の続編が見られるだなんて、絶対に誰もが夢にも思っていなかったことでしょう。でもそれが、ちょっとイレギュラーで、広告的戦略の思惑が渦巻いた方法で、実現してしまいました。
感謝祭パレード中のCMだった
百貨店のメイシーズにより開催された、感謝祭パレードの中継中に流れた、ネット回線および配信動画サービスXfinityのCMがそれ。YouTubeでも見られるようになりました。突如あらわれた、懐かしの『E.T.』最新作の題名は「A Holiday Reunion.(祝日の再会)」。
ではエリオットを演じたヘンリー・トーマスと、1982年にスティーヴン・スピルバーグが撮った伝説的映画『E.T. the Extra-Terrestrial』の新しいストーリーをどうぞ。
テレビで放送されたのは2分の短縮版だったそうですが、こちらは4分のフル・バージョンとのこと。
CM実現のカラクリ
Xfinityはアメリカでもまだ知名度が低い会社のようですが、デジタル・ケーブルやインターネット、携帯電話にその他のプロバイダーをやっている、 コムキャストが保有する企業です。 コムキャストはテレビ局のNBCが親会社で、感謝祭パレードが放送された局でもあります。さらにはユニバーサル・ピクチャーズもNBCの傘下であり、『E.T.』はユニバーサル映画…という感じでぜんぶが繋がっているワケです。
つまり、基本的に今見ていたのは、大手企業が「ノスタルジックな知的財産」という名のトリックが詰まった袋に手を突っ込み、スーパーボウルに投入するような莫大な広告費を投入したモノということになります。
何にせよ、往年の名作が現代風にアレンジされつつも、オリジナルのように心暖まるCMになっていますね(年末商戦向けのわざとらしい演出ともいえますが)。
エリオットのコメント
トーマスは、プレス・リリースにてこうコメントしています。
彼はある意味正しいでしょうね。企業の相乗効果についてはさて置き、E.T.が37年ぶりに地球に戻り、私たちが社会的にどれだけ進んだかを知り、エリオットの家族に会うというアイデアは、基本的にE.T.の続編として人々が見たいと望むすべてでしょう。もしそれが実際に起こったとしたら、ですけども。
だとしてもオリジナルを超えられないので、これくらいの超短編でもない限り、誰も見てみたいとは思わないでしょう。もしかすると、このCMの存在が続編のアイデアへの扉を閉ざしてしまうかもしれません。でもそれで良いのです。
大人の事情はまだある
企業の相乗効果に話を戻すと、このCMにはほかにも真意があり、パレード放送のあとには午後から、やっぱりコムキャスト保有のSyfyチャンネルにてオリジナルの『E.T.』が流れることになってたのです。
そしてホントな話、Xfinityの契約者は、リモコンに向かって、音声で「E.T. フォーン、ホーム」と言えば視聴できるようになっています。
そんな大人の事情よりも、ヘンリー・トーマスが再びエリオットを演じ、E.T.が自転車で月を横切る姿がまた見られるのは嬉しい限りです。
Source: YouTube, Xfinity