数字は全てを語らない。1度のプレシーズンゲームも同様だ。だが、マック・ジョーンズはプレシーズンのプロデビューで十分な働きを見せた。キャム・ニュートンは、前回NFLのフィールドに出た時と大きく変わったところはなかった。
2021年のNFLドラフトで全体15位指名を受けてから数カ月、現地12日(木)のワシントン・フットボール・チーム戦で主役を演じたのはジョーンズだった。22対13でニューイングランド・ペイトリオッツが勝利した試合で、彼の5つのドライブは試合の見どころを作った。
アラバマ大学出身のルーキーは、ニュートンのリリーフとしてスマートで決定的なところを見せ、時には安全でアグレッシブなところも見せた。この試合一番のスローは、ジョーンズが最初のポゼッションで左のサイドラインに深く投げ、惜しくもワイドレシーバー(WR)クリスチャン・ウィルカーソンの指先からこぼれ落ちてしまった34ヤードのパスだろう。その直前にはファーストダウンでラインバッカー(LB)とセーフティ(S)の間からWRケンドリック・ボーンへのパスを通していた。
「あれはマックからの最高のボールだった」とウィルカーソンは試合後に述べたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ジアルディが伝えている。「あれに合わせるために、俺はもっといい仕事しなくちゃならないな」
フィールドゴールで最初のドライブを終えたジョーンズは、このレベルのスピードがいかに速いかを学んだだろう。サードダウンの残り2ヤードではスクランブルできるスペースがあったが、後ろから倒され、クリアはならなかった。第3クオーターでは初めからショートパスを連続で決めて再びロングドライブをリードしたが、ワシントンのレッドゾーン手前で失速し、またもフィールドゴールで終わった。それでも、2ミニッツの状況を想定してペイトリオッツがノーハドルでプレーする中で印象的な流れだった。
ジョーンズは最後に、一部でもっと早くドラフトに出ていてもおかしくなかったと評価された知覚の鋭さを見せている。サードダウン残り24ヤードで、彼はダウンフィールドにWRガナー・オルシェスキーを見つけて狙ったが、ボールは目いっぱい伸ばした彼の手を通り過ぎていった。これで記録は19回のアテンプトで13回成功、87ヤードとなった。サックは1回で、最初のパスは間違ってインコンプリートと記録された。実にイベントフルなデビューといえる。
ジョーンズは間違いなく、競争相手の敬意を獲得した。
「彼は出ていく前に俺のところへ来て、話をした。彼の期待についてあれこれ話したよ」とニュートンは後から打ち明けている。「興奮、不安、全ての若いクオーターバックが経験することだ。彼はすごく完璧になりたいと思っているし、いつもピカピカに準備を整えているのが分かる。そういうところに感心するよ。あんなに若いのに、準備の方法を知っていて、ジョシュ(マクダニエルズ/攻撃コーディネーター)が質問したり、誰かが質問したりすると、その答えをちゃんと持っているんだ」
「みんな一人一人違う。学び方もそれぞれだ。でも彼と今日のパフォーマンスは、これからどんどん良くなるだけだし、俺たちはこのプロセス全体でお互いのためにここにいることになる」
ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックはもう少し慎重なアプローチを見せた。
「動画を見て考える」と彼は記者団に語った。「良かった部分も少々、改善できる部分もたくさんある。他の皆と同じだよ」
そこには間違いなくニュートンも含まれている。元MVPはニューイングランドのオープニングポゼッションでファンブルしたように見えたが、守りを振り切ったディフェンシブエンド(DE)チェイス・ヤングに強襲された時には腕が前に動いていたと判断され、パスのインコンプリートと記録された。ニュートンはパントから次のドライブで4つのショートパスを成功させて巻き返し、後はレシーバーたちに仕事を任せた。このポゼッションはフィールドゴールで終わり、ニュートンはアテンプト7回で4回成功、49ヤードで終えている。
どちらのQBが来月ペイトリオッツの初戦で先発するかの議論は、今始まったばかりだ。
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