スマートウォッチをして「スマートウォッチ」たらしめるもの
「Pebble」は、Kickstarterによるクラウドファンディングで1000万ドルを調達した。これはKickstarter初期の代表的なサクセスストーリーともなっている。その目的は正真正銘のスマートウォッチを作り上げるというものだ。ここで言うスマートウォッチとは、「iPhone」が世に出てくる前に販売されていたカシオの「データバンク」や、Microsoftの腕時計「SPOT」といったガジェットではなく、名刑事ディック・トレーシーが使っている腕時計型の通信機のようなガジェットである。つまり、携帯電話と接続し、アプリとやり取りを行える腕時計なのだ。
提供:Sarah Tew/CNET
Pebbleのウェブサイトで公開されている動画を見れば、その魅力が分かるはずだ。「iOS」機器や「Android」機器と連携し、メッセージの即時通知が可能であり、健康管理アプリや格好の良いさまざまなフェースが用意されており、防水仕様ともなっている。文句の付けようがないだろう?
現在販売されている150ドルのPebbleは、小さくキュートな腕時計であり、うたわれている機能、すなわちメッセージの受信や、電話着信時における発信元のチェック、携帯電話上で再生中の楽曲の一時停止や再開などが実現されており、デジタルウォッチとしてのクールなフェースも一通り用意されている。この製品は使っていて楽しく、有用なものであり、ちょっとした未来を感じさせてもくれる。ソフトウェア開発キット(SDK)がリリースされており、今後サードパーティーのアプリが多数出てくることを期待したい。
「うたわれている通りの」Pebbleを手に入れるには、2013年以降もユーザーと開発者がPebbleを支持し続けるという前提に賭けなければならない。筋金入りのガジェットオタクや、新しいものが好きな人間にとっては何の問題もないだろうが、現在のスマートフォンが持つ完成度(そしてフル装備の機能)に慣れているユーザーは慎重に検討した方がよい。Martian Watchの「Passport」や、ソニーの「SmartWatch」といった製品が実際に登場しているのを見れば、将来はさまざまなスマートウォッチが発売されるのは明らかだろう。
提供:Sarah Tew/CNET