クライアントPC管理ツール8製品を徹底比較|選び方や基本機能も解説 | IT製品比較
企業におけるIT資産の中でも従業員が利用するPCの台数は特に多く、従業員数が増えるに従い管理工数は劇的に増大します。クライアントPC管理ツールは、多くのPCを管理するために便利な機能を数多く備えているソフトウェアです。
本稿では、クライアントPC管理ツールのおすすめ製品をご紹介するとともに、導入メリットや製品を比較検討する際のポイントについて解説します。
- クライアントPC管理ツールとは
- クライアントPC管理ツールのおすすめ8製品徹底比較!
- クライアントPC管理ツールにおける2つの基本機能
- クライアントPC管理ツールの導入メリット5つ
- クライアントPC管理ツールの選び方7つ
- まとめ
クライアントPC管理ツールとは
クライアントPC管理ツールとは、IT資産管理の中でもクライアントPC管理に特化したソフトウェアです。主な機能は、PCのハードウェア・インストールしているソフトウェアの管理と、セキュリティパッチ管理や操作ログ取得などセキュリティ機能があります。
クライアントPCの管理項目は多岐にわたります。また近年ではリモートワークなど多様な働き方への対応やサイバー攻撃の激化などで、PCのセキュリティ強化も重要です。クライアントPC管理ツールはこれらの課題解決をサポートします。
クライアントPC管理ツールのおすすめ8製品徹底比較!
数多くあるクライアントPC管理ツールの中でも、おすすめの8製品を紹介します。各製品の特徴を比較して、自社に適した製品を探してみてください。
POINT「System Support best1(SS1)」は、「PCやサーバなどの管理がしたい」という顧客の声から生まれ、使いやすさを重視して開発されたIT資産管理ソフトウェアです。デバイスの使用制限や各種ログの収集、Windowsアップデートの適用管理などセキュリティ対策を行うことができます。
テレワークに用いる社外端末も含め管理することができ、PCの起動や操作ログをもとにした業務可視化など労務管理としても活用できます。
価格体系はIT資産管理機能を基本とし、その他のオプション機能は必要なもののみを選択することが可能。初期コストを抑えて運用をはじめられます。これまで2,600社以上の企業への導入実績があり、「使いやすさ」「コストパフォーマンスの高さ」「サポート体制の充実」が評価されています。
POINT
USEN GATE 02のIT資産管理/監視ツール「LANウォッチャー」は、「IT系資産管理を情シスの負担を減らして行いたい」「端末の脆弱性を監視しネットワークセキュリティを強化したい」「コストはあまりかけたくない」、そんな悩みを抱える企業におすすめのサービスです。
「LANウォッチャー」を社内ネットワークに適用することで、IT資産の情報を一括収集、可視化、セキュリティパッチなどの脆弱性対応状況を集約。繁雑になりがちな社内端末の管理業務の効率化を実現し、対策強化をサポートします。
POINT
BitLockerはWindows 10 に標準搭載されている、PCのハードディスク(HDD)を暗号化する機能。「PerfectWatch for BitLocker(PW4B)」は、管理機能がないなどのBitLockerの課題を解決する「BitLocker専用の運用支援ツール」です。
回復パスワード、暗号化状態のGUIによる集中管理やActive Directoryに属さない端末の管理。障害回復時のワンタイムパスワード運用やユーザーによる暗号化解除の抑制など、BitLockerの運用管理に必要な機能を提供しています。オプションも豊富です。
提供形態はクラウドとオンプレミスを用意。機能は同じなので環境やニーズに合わせて選択できます。また、PCへのBitLockerを導入・展開するところからの支援が可能。Windows 10のHDD暗号化をこれから考えたい、どこから検討すべきか迷っているといった相談から対応してくれます。
POINT
クラウド型で導入しやすいクライアントPC管理サービス。クライアントPCに必要な機能はほとんど標準機能で提供します。パソコンのセキュリティ診断や端末の紛失対策機能(リモートロック・ワイプやデータ削除)もあり、リモートワークにも活用できます。
ただし、ソフトウェアやセキュリティパッチの配布、リモートでのモニタリングや操作はオプションになっているため必要に応じて選びましょう。
POINT
IT機器の運用を全般的にアウトソーシングできるソリューションサービス。クライアントPC管理として、資産管理ツールへの入力・更新作業、アカウント・アクセス権限・セキュリティ管理などを任せられます。
また、その他にもPCのキッティングサービスや機器故障などの社内ヘルプデスク、IT機器の保管も可能。PCの調達から一括してアウトソーシングしたい場合に検討したいサービスです。
POINT
「InfoBarrier」は、クライアント環境のセキュリティ強化を目的としたツールです。情報漏洩の危険性がある端末操作の制限や、資産管理の効率化を実現する機能を提供しています。
監視できるPC操作は非常に多く、きめ細かなチェックが可能です。禁止操作を検出すると管理者にリアルタイムでアラート通知し、セキュリティインシデントへの迅速な対応を支援します。
POINT
「AssetView」は、クライアントPCの管理とセキュリティ機能を部品として提供し、自由に組み合わせて利用できるクライアントPC管理ツールです。自社に必要な機能を選択することで、無駄のないクライアントPC管理を実現できます。
オンプレミス型の場合はオーダーメイドで1機能からの利用も可能。クラウド型の場合はテレワークに求められるセキュリティ機能を基本セットにして提供し、必要に応じて他の機能をオプションとして追加します。
POINT
IT資産管理とクライアントPCのセキュリティを強化する各種機能を数多く提供する多機能なクライアントPC管理ツール。社内ネットワーク上の端末だけではなく、インターネット上やオフラインのパソコンも管理可能です。
端末情報の収集やソフトウェア配布機能ではネットワークへの負荷が問題になることがあります。本製品はネットワークに負担をかけないように工夫されており、日常業務への支障を最低限に抑えている点も大きな特徴です。
クライアントPC管理ツールにおける2つの基本機能
クライアントPC管理ツールの機能は、主にIT資産管理とセキュリティ管理に分類されます。具体的にどのような機能があるのか、以降で解説します。
クライアントPCをIT資産として管理する機能です。IT資産管理は、PC本体を管理する機能、PCの構成を管理する機能、ソフトウェアライセンスを管理する機能の3種類に分かれます。各機能の概要は以下のとおりです。
機能 | 概要 |
---|---|
IT資産管理 | 資産管理台帳の作成・管理クライアントPCのライフサイクル(購入・レンタル~廃棄・返却)管理 |
インベントリ管理 | PCのハードウェア構成(CPU・メモリ・ハードディスクなど)やインストール済ソフトウェア情報の収集・管理 |
ソフトウェアライセンス管理 | PCにインストールされているソフトウェアと購入しているソフトウェアライセンスの管理 |
従来、これらの情報は管理担当者が社内を回り、台帳管理をしていました。クライアントPC管理ツールは、これらの情報をネットワークから自動的に収集し、一元管理します。
クライアントPCのセキュリティを強化・管理する機能です。セキュリティ管理に含まれる機能は以下のとおりです。
機能 | 概要 |
---|---|
ソフトウェア配布 | クライアントPCに対して一括でソフトウェアを遠隔インストール |
セキュリティパッチ管理 | OSやアプリケーションに必要なセキュリティパッチを導入して脆弱性に対応 |
外部メディア利用制御 | USBやDVDなど外部メディアの利用を制限 |
操作制限機能 | 情報漏洩につながるPCやアプリケーションの操作を制限 |
強制ソフトウェアアップデート | PCの設定に関わらず強制的にOSやアプリケーションをアップデート |
禁止ソフト制限 | 情報漏洩につながる危険性のあるソフトウェアの利用を制限 |
PCログ管理 | PCの操作履歴をログとして収集・保管して監査や問題発覚時の証跡として利用 |
自社ではどこまでの機能を必要とするか検討し、製品選定時の判断材料の1つとしてください。
クライアントPC管理ツールの導入メリット5つ
クライアントPC管理ツールを導入することにより得られるメリットは以下のとおりです。
もっとも大きなメリットは、資産管理部門や情報システム部門の業務効率化です。ツールで社内ネットワークに接続されているPCの情報を自動的に収集できるため、管理担当者は収集情報の精査や管理など、重要な業務に集中できます。
クライアントPCの管理は、資産管理部門にとって大きな負担です。従業員にセキュリティパッチの導入やソフトウェアのインストールを依頼しても、対応完了にはあ時間がかかります。PC本体の管理番号を台帳と突き合わせるために、管理担当者が職場を回ってチェックする労力もかかります。
クライアントPC管理ツールを使うことで、このような管理業務は大幅に軽減できます。
ネットワーク上に接続されているPCやインストールソフトウェアの情報を収集することで、正確なPCの台数やソフトウェアの購入ライセンス数を把握できます。収集した情報を精査することで、余剰の資産や購入ライセンスを不足している部署へ回すことも可能。過剰な資産購入の抑制にもつながります。
また、ソフトウェアの購入ライセンスの状況を把握することで、いつごろライセンスの追加購入が必要となるかを予想しやすくなり、計画的な購入も可能です。
従業員にセキュリティパッチやOSのアップデートを任せていると、なかなか対策が進まない、というケースはよく見られます。
クライアントPC管理ツールによりこれらの作業を自動化し、より迅速で確実な脆弱性対策ができるようになります。セキュリティパッチやOSのアップデートの状況は一覧で確認できるため、未対応のPCを洗い出して個別対応することも可能です。
クライアントPC管理ツールの中には、PCの機能や操作を制限する機能を提供しているものも多く見られます。これらの機能によって社内セキュリティポリシーの遵守を徹底できる点も、クライアントPC管理ツールの導入メリットです。
機能制限の例としては、情報漏洩につながるUSBやDVDなど外部メディアを使用禁止、特定の操作を制限といった機能があります。
クライアントPC管理ツールでPC操作を監視しているとアナウンスすることで、従業員の不正を防止できる点もメリットの1つです。また、機密書類の印刷やメール送信などの操作ログ取得や、USBなど外部メディアの使用制限などにより、従業員の不正を防止できます。
クライアントPC管理ツールの選び方7つ
自社に導入するクライアントPC管理ツールを比較検討する場合に、確認したいポイントを紹介します。
クライアントPC管理ツールにどこまでの管理や機能を求めるかにより、選択する製品は変わります。自社のクライアントPC管理の課題を解決するにはIT資産管理機能だけでいいのか、セキュリティ強化もしたいのかを明確にした上で製品を比較検討してください。
また、クライアントPCだけでなく、モバイルデバイスを管理できる製品もあります。モバイルデバイスも一緒に管理するかどうかも要検討事項です。
クライアントPC管理ツールで収集できるPCのインベントリ情報やライセンス情報、PCの操作ログの内容も確認します。資産管理に必要な情報や、セキュリティ強化のために収集する操作ログの内容をどの範囲で求めるのかを決めておくと、製品の比較検討がしやすくなります。
製品により大きく違ってくるポイントです。Windowsだけなのか、モバイルデバイスも管理対象なのかを確認しましょう。Windows端末はどの製品でも対応していますが、MacやLinux、モバイルデバイス対応はオプションになっているか、管理対象外というパターンが多く見られます。
エージェントとは、管理対象のクライアントPCにインストールし、端末内の詳細情報を収集するプログラムです。より詳細な管理ができる一方で、セキュリティポリシーなどの制約により、エージェントをインストールできない場合もあります。
自社でエージェントをインストールできるかどうかの確認し、エージェントを使えない場合は、エージェントレスで使える製品を選びましょう。
多くのオプション機能を用意している製品の場合、クライアントPC管理をスモールスタートできます。必要最小限の機能から利用したい場合には、オールインワンタイプよりも機能拡張タイプの方を選択するのもおすすめです。
クライアントPC管理ツールは、多機能なオールインワンタイプは導入コストが高額になります。利用する機能が一部だけだと費用対効果は低くなるため、コストパフォーマンスも意識して必要十分な機能の揃った製品を選ぶようにしましょう。
サポートの有無は、スムーズな導入と運用に大きくかかわる要素です。導入支援サービスの有無や、運用開始後のサポート体制、運用支援サービスの有無は製品ごとに確認しましょう。
まとめ
クライアントPC管理ツールの導入は、資産管理部門や情報システム部門の業務負担を大幅に軽減できる有効な手段の1つです。機能は主に資産管理とセキュリティ強化ですが、自社に必要な機能を整理した上で比較検討し、最適な製品を選んでください。