“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ
基本編 第14回
【A】ネットワークを利用するために必要な設定を自動的に行うための仕組みです
「DHCP」は「Dynamic Host Configuration Protocol」の略で、ネットワークを使って通信を行うための基本的な設定を自動で行うための仕組みです。
「IP(Internet Protocol)」が使われているネットワークで通信を行うには、IPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーのアドレスを設定する必要があります。これらの設定を自動的に行うための仕組みがDHCPです。DHCPを利用すれば、コンピューターをネットワークに接続するだけで、これらの設定を自動的に行ってくれます。
DHCPでネットワーク設定を自動的に行うためには、ネットワーク内に「DHCPサーバー」があり、さらにクライアントであるPCやスマートフォン側でDHCPを有効にしておく必要があります。なお、DHCPサーバーの機能は、多くのブロードバンドルーターに搭載されています。
ブロードバンドルーターなどに搭載されているDHCPサーバーの機能を使う場合、通常は特に設定を行う必要はありません。ただ、割り当てるIPアドレスの範囲を変更したいなどといった場合は、別途設定が必要です。
ひかり電話ルーターである「PR-400MI」のDHCP設定画面。DHCPサーバー機能の使用有無や割り当ての開始IPアドレス、割り当てるIPアドレスの個数などを設定できる
固定のIPアドレスをDHCPで割り当てることもできる
DHCPによるIPアドレスの割り当ては期限が定められています。期限が切れても同じIPアドレスを使い続ける仕組みはありますが、状況によってはコンピューターを再起動したタイミングなどでIPアドレスが変わることがあります。
ただ、コンピューターをサーバーとして使う場合など、IPアドレスが変わると困る場面もあるでしょう。そこで利用できるのが、あらかじめ指定されたMACアドレスに対して常に同じIPアドレスを割り当てる機能で、多くのブロードバンドルーターが対応しています。
DHCPで固定したIPアドレスを割り当てるための設定画面。そのコンピューターのMACアドレスと、割り当てたいIPアドレスを指定する
「DHCPを利用してネットワークの設定を行いたいけど、IPアドレスは常に同じものにしたい」といった場合に利用してみましょう。
この連載について
・Wi-Fiのブリッジ接続って何? ・Wi-Fiルーターには、同時に何台まで接続できる? ・Wi-Fiルーターはどこに置くべき? ・2.4GHz帯と5GHz帯は何が違う? ……連載『“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ』では、これからWi-Fiを導入する人や、Wi-Fiを導入しているがトラブルを抱えている人に向けて「Wi-Fiの基本」や「トラブル解消のテクニック」をQ&A形式で解説しています。