今日、10月21日は、日本照明工業会、照明学会、日本電気協会の3団体によって、「あかりの日」と定められています。
この日が「あかりの日」に定められているのは、発明王として知られるイギリスの発明家トーマス・エジソン(Thomas Alva Edison、1847-1931)の偉業によるものです。1879年10月21日、彼は自らが発明した白熱電球を13.5時間連続で点灯させました。これは、エジソンの実用的な白熱電球の開発の第一歩として知られています。
じつはエジソンが最初の発明者…ではない?
このことにより、エジソンは「白熱電球の発明者」として多くの人に認知されています。しかし、実はエジソン以前にも白熱電球を発明していた人物がいるのです。
その名はジョセフ・スワン(Joseph Wilson Swan、1828-1914)。イギリスで物理学を研究していた彼は、エジソンより1年ほど早く白熱電球の発明に成功しました。
ジョセフ・スワンスワンは、それ以前の研究で使われていたプラチナ製のフィラメントを、炭化した紙のフィラメントに代えることで電球を光らせたのです。彼は、様々な工夫をこらして40時間という連続点灯時間を実現しました。
現在、エジソンが白熱電球の発明者と多くの人に考えられているのは、その後のさらなる点灯時間の延長を成し遂げたことと、そしてなにより、電球を広く普及させたことが大きな理由かもしれません。
エジソンが初の実用化に成功した際の電球のフィラメントは、木綿の糸にタールを塗ったものであったとされています。しかし、さらに寿命を伸ばさなければ商用化できないと考えたエジソンは、様々な素材のフィラメントを試しました。
そして、中国産の扇子に使われていた竹を用いたフィラメントで、200時間の点灯を記録します。
日本とも縁の深いエジソン
このことをきっかけに世界中の竹でフィラメントを作成したエジソンは、最終的に1200時間もの長い間光続ける白熱電球を発明します。この時に使われていた竹は、京都府の石清水八幡宮に生えていた竹でした。
エジソンは他にも、岡部芳郎(よしろう、1884-1945)という助手を持つなど日本とも深い関わりがあったのです。
現在の白熱電球の多くでは、タングステンという元素を主成分としたフィラメントが使われている現在、「あかりの日」は、照明文化の向上が持つ意義をあらためて認識するとともに、環境にも考慮したより良い照明のあり方を考える機会として捉えられています。「あかりの日」委員会は、全国の小学生によるポスターコンクールを実施し、また「住まいの照明 省エネBOOK」で21世紀の照明であるLEDについて紹介しています。記事をツイート記事をシェア記事をブックマーク