NST新潟総合テレビ
新潟県医師会広報委員会の協力でお伝えしている〈医師に聞く〉今回は、発症したら生命の危機や後遺症を考えざるを得ない『脳卒中』についてお伝えします。
新潟大学脳研究所 長谷川仁 医師
杉山萌奈アナウンサー:「他県に比べて“新潟県は発症率が高い”というデータがある脳卒中。どんな病気なのでしょうか」新潟大学脳研究所の長谷川仁医師に詳しい話を聞きます。
突然発症する“脳卒中” 殴られたような激しい頭痛に襲われることも
脳のCT画像
まず、脳のCT画像を見てみると…新潟大学脳研究所 長谷川仁 医師:「出血はCTで白く、梗塞は黒く写る。軽症な脳梗塞は点状や線状だが、重症な脳梗塞は広範囲」
脳卒中の分類
“脳の血管が詰まる”タイプと“脳の血管が破れる”タイプの2種類に大別できる脳卒中。【詰まるタイプ】主な病気『脳梗塞』【破れるタイプ】主な病気『脳出血』・『くも膜下出血』いずれも基本的に突然発症すると言います。
突然発症
新潟大学脳研究所 長谷川仁 医師:「“さっきまで元気にしゃべっていた”という方が、ある瞬間に倒れる。多くは前触れなく突然意識障害が出たり、言語の機能が著しく障害され全く話せなくなったり、右もしくは左半身の動きが突然悪くなったりしてしまうのが、よく見られる脳卒中の症状」
くも膜下出血は激しい頭痛も
そして、血管が破れるタイプのほうが症状は激烈で、なかでも『くも膜下出血』は殴られたような激しい頭痛などに襲われると言います。
脳卒中により年間10万人~15万人死亡 助かっても“重篤な後遺症”のおそれ…
脳卒中による死者
新潟大学脳研究所 長谷川仁 医師:「くも膜下出血は大体発症すると30%~50%の人が死亡してしまう」日本では脳卒中による死者が年間10万人~15万人と推計されていますが、命を救えたとしても“重篤な後遺症を残す患者が多い”というのが脳卒中の恐ろしさです。
脳卒中を発症すると…
新潟大学脳研究所 長谷川仁 医師:「言語障害・半身麻痺が強く生じると、リハビリを長期間行っても完全の回復は難しい」Q.他の病気に比べ、介助・介護を必要とする人が多い「明らかに多い。多くの場合、生命の危機や後遺症を考えざるを得ない」
未然防止・予測が難しい脳卒中 脳ドッグ受診でも“ならないとは限らない”
“予測は非常に難しい”
また、事前に見極められる予兆は少ないケースが多く、脳ドッグを毎年受診していたとしても「脳卒中にならないとは限らない」と指摘します。新潟大学脳研究所 長谷川仁 医師:「くも膜下出血の多くは脳の動脈瘤が破裂して起こる。その動脈瘤を脳ドッグで事前に発見・処置することで予防する効果があると考えられている。しかし、それ以外の脳出血・脳梗塞を未然に防いだり、予測したりするのは非常に難しい」
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