レース仕様は2.5L 5気筒ターボで600ps超
KTMクロスボウGT2のプロトタイプ
レーシングカーやバイクのメーカーとして知られるオーストリアのKTMは、ラディカル・ラプチャーやダラーラ・ストラダーレといった少量生産の軽量スポーツカーに対抗する「クロスボウGT2」の公道走行モデルを開発中である。【写真】KTMクロスボウ【ダラーラやラディカルと写真で比較】 (88枚)KTMにとって、2008年からさまざまなタイプが販売されているクロスボウに続く、2台目の公道走行可能な市販モデルとなる。クロスボウとは全く異なるボディを持ち、スーパーカーのライバルともなりうるパワーとパフォーマンスを誇るという。アウディRS3と同じ2.5L 5気筒ターボエンジンをリアに搭載しているが、クロスボウRの最高出力300psと最大トルク40kg-mに対して、GT2では出力を608ps、トルクを73kg-mまで高めている。7速シーケンシャル・トランスミッションとリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを搭載し、リアアクスルにパワーを送る。公道向けのエンジンがレース用と同じ仕様にチューニングされるかどうかについては、まだ明らかにされていない。
軽量化に焦点を当てたスポーツモデル
KTMクロスボウGT2のプロトタイプ
基本的な構造としては、クロスボウと同じダラーラ設計の80kgのカーボンファイバー・モノコックをベースにしており、KTMは「2008年から十数回のクラッシュテストを行ってきた」と語っている。ボディにはFIA公認のスチール製ロールケージが組み合わされている。カーボンファイバー製の「ジェット戦闘機」風のキャノピーから乗降できるが、サイドの小さなガラス窓はフルオープンにすることも可能。KTMによると、レース仕様のクロスボウGT2の乾燥重量は1048kg。公道用のホモロゲーションに必要な追加装備により、若干重くなることは間違いないが、開発陣は社内のレースチームと協力し、「軽量化にフォーカス」していくとのこと。KTMは、発売が近づいた時点で、さらなる詳細を発表する予定だ。
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)
最終更新:AUTOCAR JAPAN