2021年12月13日にグループを卒業する佐藤優樹
モーニング娘。’21の佐藤優樹が、2021年12月13日、約10年に渡るアイドル活動に終止符を打ち、グループおよびハロー!プロジェクトを卒業する。周囲から“超問題児”扱いされる一方、圧倒的なカリスマ性とパフォーマンス力で、ファンのみならず、同業のアイドルやタレントたちをも魅了してきた佐藤。人気ナンバーワンメンバーとの呼び声も高く、卒業コンサートのライブビューイングは、ハロプロ史上最多となる全国93の劇場で行われることが決定した。しかし、歌・ダンス未経験、超問題児、イベントでは塩対応という、アイドルとしては“王道”とは表現し難い彼女が、どうして“エース”とまで評されるようになったのか。本記事では佐藤の卒業に際し、その唯一無二の魅力や人気を支える理由を、印象的なエピソードと共に振り返る。【写真】佐藤優樹&石田亜佑美、10期のツーショットが可愛すぎる■“卒コン”はチケット争奪戦!前代未聞の規模でライブビューイングが決定佐藤は、安倍なつみや飯田圭織、藤本美貴らハロプロOGと同じ北海道の出身。約6000人が応募したオーディションを勝ち抜き、2011年9月29日にモーニング娘。の10期メンバーとしてグループへ加入することが発表された。加入当時は弱冠12歳。同期で同い年の工藤遥と共に“まーどぅーコンビ”の名で親しまれ、数々の不思議すぎる言動でメンバーやスタッフたちを困惑させていたという。「緊張がポクポクしてきた」「(自己紹介にて)佐藤優樹こと佐藤優樹です!」などの迷言、“オーディションの合宿審査中、参加者たちが歌やダンスの練習に励む横で鬼ごっこをする”、“元プロデューサー・つんく♂から「(佐藤は)不思議ちゃんなんです。別格扱いしたってください」と言われる”などのエピソードは、ファンの間では特に有名なものだろう。そんな佐藤が人気メンバーとして頭角を現し始めたのは、当時のエース・鞘師里保が卒業した2015年頃と言われている。投票で順位が決まるファン主催のイベント「ハロプロ楽曲対象」の推しメン部門では、2015年以降、6年連続1位の快挙を達成。また、指原莉乃、松岡茉優など、業界内にもファンを公言する人物は多い。そして、この度行われる卒業コンサートは、公演チケットのみならず、ライブビューイングのチケットも完売続出。上映劇場の追加、再追加が行われ、他メンバーの卒業コンサート中継会場の倍以上、またハロプロ史上最多となる、全93館(2021年12月11日現在)でのライブビューイングが決定した。コンサートやイベントの開催規模を制限せざるを得ないコロナ禍という状況を加味すると、まさしく前代未聞とも言える劇場数であり、この事態からも佐藤の圧倒的な人気の高さがうかがえる。■音の波形を見て、アクセントの場所を探る。つんく♂も認める音楽的センスとは今や誰もが認める人気メンバー、そしてエースだが、このポジションは、決して最初から与えられたものではなかった。メディア露出や歌割りが多いなど、運営が売り出していこうとするメンバー、いわゆる“推されメン”とは違い、佐藤の場合、表立った活躍が特別多かったわけではない。ではなぜ、エースポジションを確立できたのだろうか。その理由は、見るものをひきつけるパフォーマンスを、ファンに対して披露し続けてきたこと、その積み重ねにほかならない。新曲を出すたび、コンサートを行うたびに、「佐藤優樹はすごい」という評価が生まれ、佐藤を今のポジションへと押し上げた。そんな吸引力のあるパフォーマンスは、彼女の楽曲への理解力と探究心に起因していると考えられる。絶対音感を持ち、幼少期よりピアノ、ドラム、乗馬、バレエを習いリズム感を養ってきた佐藤の才能は、つんく♂から「実は一番音楽を理解している」と評価されるほど。さらに、過去の本人インタビューでは、“(つんく♂楽曲の)16ビートを理解するため、音楽ソフトに楽曲を取り込み、スロー再生して、音の波形を見てアクセントの場所を探ってから、レコーティングに臨んでいる”という驚きの逸話まで登場している。もともとの音楽的センスに加え、楽曲に対するあくなき探究心とリスペクト。それらが歌、ダンス、表情、歩き方といった細部にまで宿り、彼女のパートすべてがキリングパート(強烈な印象を残すパート)と言えるほどの、カリスマ性あふれるパフォーマンスに繋がっているのだろう。■カリスマ的人気を誇るアイドル、気になる今後の進路は?前述したような突拍子のない言動・エピソードは挙げればキリがなく、加えて“自由すぎる”そのキャラクターと、集団から浮いてしまうほどのズバ抜けた個性持つ佐藤は、決してアイドルとしては“王道”とは言い難いかもしれない。しかし、ステージに上がった途端、普段の姿からは想像できないほどの豹変を見せ、彼女にしかできないパフォーマンスで人々の心を奪う。佐藤は、いい意味で“邪道”から生まれたエースであり、後にも先にもそんな存在は、佐藤優樹ただ一人なのだろうと思わせてくれる。グループ卒業後は、ソロとして音楽活動を続けることが予定されているが、すでにイベントにて自身が作詞作曲した楽曲を披露するなど、彼女の音楽性に触れ、今後の活動を楽しみにしているファンを多いはずだ。佐藤優樹の卒業がモーニング娘。’21に、そして佐藤自身にどんな変化をもたらすのか。卒業の寂しさ以上に、新たな変化や明るい未来を感じさせてくれるような、素晴らしい卒業コンサートになることを期待したい。文・佐藤さとり
最終更新:WEBザテレビジョン