NTTドコモが3月26日に提供開始する新料金プランahamo。その詳細が徐々に明らかになってきましたので、これまでにわかっている注意点をおさらいします。
まず料金について。ahamoは20GBの月間データ容量と5分以内の通話定額が含まれる料金プラン。NTTドコモは当初、ahamoの月額料金を2980円としていましたが、2700円に引き下げると発表しました。
一方、ahamoのライバルとなるKDDIの「povo」とソフトバンクの「LINEMO」は、5分以内の通話定額をオプションとして扱うことにより、月額2480円でサービスを提供します。
ahamoは5分以内の通話定額を外して毎月の料金を抑えることはできません。この理由についてNTTドコモは、「NTTドコモでスマホを契約している20代のうち、約9割が音声通話を利用しているため」と説明しています。
ahamoは20代をターゲットに設計したこともあり、そうした点を重視しながらワンプランというコンセプトを維持することにこだわっているのです。
ちなみに未成年者の名義では、ahamoの契約はできないため、たとえば20歳未満の子どもにahamo契約のスマホを持たせたい場合、親権者の名義で契約したうえで利用者登録をする必要があります。
ahamoで利用できる機種については、実は当初から最も気にされていた、といっても過言ではないでしょう。この点に関しては既報の通り、iPhoneシリーズ21機種のほか、Androidスマホ72機種が対応します。
NTTドコモが3月1日午前10時に更新したahamo専用サイトでは、ahamoの対応端末や販売価格などを確認できます。
対応端末のなかでも特にNTTドコモが推すのが「iPhone 11」「Galaxy A20 5G」「Xperia 1 II 5G」の3機種で、ahamo専用サイトから購入できます。
これら3機種以外のスマホをahamoで利用する際に厄介なのが、ギガプラン(ギガライト、ギガホ)をいったん契約したうえでahamo対応端末を購入してから契約をahamoに変更する必要があること。
NTTドコモによると、ギガプランの契約をせずに端末だけを購入することも可能ですが、その場合は新規契約による割引特典が受けられないため、いったんギガプランを契約してからahamoに移ってもらいたいのだそうです。
ちなみにahamoを契約するまでの具体的な流れについては下図の通りです。
ahamoは専用サイトからのみ契約できる料金プランですが、実は端末の修理の対応も店頭ではなく、すべて専用サイトから手続きをする必要があります。
スマホの故障や盗難に遭ったときに修理や交換が可能な「ケータイ補償サービス」はahamoでも利用でき、申し込みの当日から2日以内に交換電話機(リフレッシュ品)が届くそうです。
ただし、ahamoのケータイ補償サービスの対象となる機種は「iPhone 11」「Galaxy A20 5G」「Xperia 1 II 5G」に限られます。
ahamoでは動作するSIMカードが限られているため、NTTドコモのユーザーがahamoに乗り換える際は注意が必要です。原則そのままのSIMカードで利用できますが、ahamoは4Gと5Gの通信方式のみに対応するため、Ver.3以下(3G対応)のSIMカードは非対応。Ver.3以下のSIMカードを利用している場合は、対応するSIMカードとの交換が必要になります。
また、SIMカードを挿し替えずにプロファイル(契約者や電話番号などの情報)の設定が可能なeSIMについては「セキュリティの面で議論を進めており、採用する方向で検討していく」(NTTドコモの関係者)としています。
NTTドコモからahamoへの変更時は引き継げるものにも注意が必要です。引き継げるものは、NTTドコモの契約年数に応じて決まるdポイントクラブのステージやケータイ補償サービスなど。
なお、ahamoは家族の人数に応じて月額料金を割り引くみんなドコモ割のカウント対象になりますが、ahamo回線にはみんなドコモ割が適用されません。
また、ファミリー割引グループ内のNTTドコモ回線からahamo回線への通話が無料となります。
さらに、NTTドコモからahamoへ乗り換えると利用できなくなるサービスがある点にも注意したいところ。ahamoで利用できないサービスの一部が公式サイトで公開されているので、事前に確認しておきましょう。具体的なサービス名は次の通りです。
spモードコンテンツ決済サービスとは、Google Playなどで購入したコンテンツの代金を、毎月請求される携帯電話料金と一緒に支払えるというサービスです。
もし特定のサービスの決済方法にspモードコンテンツ決済サービスを設定している場合は、ahamoを契約するまでに決済方法の変更手続きを行うことをおすすめします。
ドコモメールとは、NTTドコモを契約している人同士でやり取りができる、いわゆるキャリアメールのことで、初期設定では、「ランダムな英数字の組み合わせ@docomo.ne.jp」というアドレスが付与されます。
ドコモメールを利用している人がahamoに変更すると、このドコモメールが利用できなくなります。
ちなみに総務省の検討会では、ドコモメールを含むキャリアメールの持ち運び制度についての議論が進められていますが、すでに「LINE」や「Gmail」などのサービスを利用している場合、ahamoでドコモメールが利用できないという点を気にする必要はなさそうです。
データ保管BOX/dフォト(写真お預かり機能)/クラウド容量オプションについても、ドコモメールと同様に他のストレージサービスを代用すれば済みますが、これらのサービスを契約したままahamoに変更すると、各サービスが自動解約となり保存していたデータが消去されるので、事前にデータをバックアップしておきましょう。
NTTドコモで契約した携帯電話で音声通話をよく使う人にとっては、ahamoで留守番電話やワンナンバーサービスを利用できないのが気になるかもしれません。
ワンナンバーサービスとは、1つの電話番号を2台の通信端末で共有できる月額500円のサービスのこと。たとえばスマホの電源が切られた状態でも、Apple Watch(GPS+Cellularモデル)やワンナンバーフォンでスマホの電話番号を利用して発着信ができます。
ただ、もし仮にahamoに対応するスマホを所有していたとしても、ahamo契約後はApple Watch(GPS+Cellularモデル)単体での通信ができなくなります。
NTTドコモは、上記のほかにも、ahamoへの変更前に対応が必要なサービスを公表しています。すでにNTTドコモの各サービスを利用している人は、各サービスの内容や対応可否を確認したうえで、ahamoを検討しましょう。
Source : ahamo