いくら5Gになっても、携帯料金上がったら生きていけない。
1年以上すったもんだしましたが、ようやくアメリカのFCC(連邦通信委員会)がT-Mobileとスプリントの合併にゴーサインを出しました。 今年はじめのデータによると、2社が合併してできる新会社(通称New T-Mobile)は、アメリカ第2の大手キャリアに。ちなみに市場シェアはトップのVerizonが40.9%とぶっちぎり。New T-Mobileは29.4%で、3位のAT&T(28.9%)と僅差になっています。
寡占が進むかも...?
ただ、今年はじめに司法省が取り決めた「これを守るなら合併してもいいよ」という交換条件ならぬ、取引規定の一環として、T-Mobileとスプリントは2万以上の携帯電話サイトと複数の小売店を、国内シェア4位になるディッシュに売却することになっています。
ディッシュはもともと2社の合併に反対していた、という経緯もあり。独自のサービス範囲を構築するまでの7年間はNew T-Mobileのネットワークにもアクセスできる、というおまけサービスまでついてます。
とはいえ、消費者にとって一番怖いのが、T-Mobileとスプリントが合併することで、アメリカ中のワイヤレス通信価格が高騰するのでは…ということ。T-Mobileのジョン・レジャーCEOは、合併後3年間は価格を引き上げないと約束してはいるものの、競争がなくなった市場で価格が上昇するというのは、いまや定説。データでもそれは示唆されています。
合併よってもう1つメリットがあるとすれば、5Gネットワーク展開が迅速になることでしょう。合併が承認される前から、T-Mobileとスプリントは補完的な5G戦略に取り組んできました。
T-Mobileは低帯域のサブ6GHzとミリ波に、スプリントは中帯域の2.5GHzの構築に力を入れてきました。その2社が合併するわけですから、その共同ネットワークは高速かつ長距離伝送を叶えるものになるはず。
反対勢力「値上がりする未来が見える」
ただ、合併には根強い反対意見も。FCCのジェフリー・スタークス委員は次のように述べています:
元FCC委員のジェシカ・ローゼンウォルセル氏もまた米ギズモードへの意見書で、スターク氏と同じ意見を述べています。
合併によって、現在のT-Mobileとスプリントのユーザにどんな影響があるのかまだわかりません。11月11日にT-MobileのUncarrierイベントが開催されるので、そこでさらなる情報公開されるのを待ちたいと思います。