米国の空を混乱させた「5G騒動」の原因は? 欠航続出の理由やその経緯を整理した【外電】

沿って : Ilikephone / On : 23/12/2022

米国の空を混乱させた「5G騒動」の原因は?

米国では、先週の新しい5Gサービス開始によって、世界の航空会社が米国への一部のフライトを欠航し、国内線にも影響を及ぼした。航空輸送が全面停止なるような最悪の事態にはならなかったものの、この混乱はなぜ起きたのか?経緯と顛末をAP通信が伝えている。航空会社の関係者は、AT&Tとベライゾンがホワイトハウスからの圧力によって、多くの空港周辺で5G通信塔の運用を延期したことが、さらに混乱に拍車をかけたと非難している。この延期によって、米連邦航空局(FAA)は、5Gネットワークの環境下で自由に運航できる航空機を絞り込む時間を稼いだ。1月20日には、5Gの通信環境がおよぶ空港で、米国の航空会社が保有する全航空機の78%に対して視界の悪い状況でも着陸を許可する判断を行った。悪天候の場合、約5分の1の航空機が一部の空港で着陸できない可能性は残されているが、それも確実に少なくなっており、アメリカン航空とユナイテッド航空のCEOは、今後フライトに大きな混乱は出ないとする声明を出した。

米国の空を混乱させた「5G騒動」の原因は? 欠航続出の理由やその経緯を整理した【外電】

何が問題だったのか?

携帯電話会社は数年前から次世代5Gサービスを展開しているが、最新のCバンドについては、より高速で安定したワイヤレスネットワークを確保することができることから、AT&Tとベライゾンは、T-Mobileと激しく競合していた。5Gは映画などの動画をより早くダウンロードできるだけでなく、自動運転、最新の製造工程、スマートシティ、遠隔医療、IoTに依存するその他の分野にとって非常に重要なものだ。問題は、5Gが地上の航空機の高さを測定する電波高度計で使用される範囲に近い電波周波帯で動作してしまうことにある。この問題は、すでに2020年に、航空研究グループ「RTCA」によるレポートで報告され、パイロットと航空会社に対して、安全を脅かす可能性のある無線干渉の可能性について警報を鳴らしていた。一方、通信業界団体の「CTIA」は、そのレポートに異議を唱え、5Gは航空輸送のリスクにはならないと反論していた。

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