LyteLoopのTube(出典:LyteLoop)
Tubeよりも小型で設置しやすいCellというプロダクトもある。大きさは、1.5m×1.5mや2.0m×2.0mがあり、それぞれ、12ペタバイト、200ペタバイトのデータを保存することができるという。
衛星を使ったデータストレージとは?
LyteLoopは、上記のテクノロジーを宇宙空間で衛星のコンステレーションを形成することで実現しようとしている。
LyteLoopの衛星コンステレーションで形成したデータストレージのイメージ動画が公開されているが動画では驚くべきシーンがたくさんある。
例えば、ロケットから衛星が20機程度フェアリング内に搭載され、高度な分離技術を実施した後、人工衛星は、ミラーや太陽電池パネルを展開する。そして、レーザーを照射する主衛星が存在し、衛星間でレーザーを反射させ、データストレージを実現している。
いかがだっただろうか。いつも感じるのだが、New Spaceのフィールドには、斬新なアイデアを持つ企業が登場する。
LyteLoopもその一社だ。LyteLoopの宇宙でのデータストレージの技術的な課題は、1つ1つの衛星の軌道制御、姿勢制御の精度、もしくは、個々のミラーの角度制御の精度だろうか。
もちろん、コンステレーション全体で衛星の姿勢、軌道、ミラーの角度を最適化する必要はあるだろう。いずれにせよ、一般的なデータストレージのような物理的なメディアではなくて、光子にデータを保存するというLyteLoopの技術は、斬新であることに違いはない。
さいだともや
2004年東北大学大学院工学研究科を修了、工学博士。同年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社し、2機の人工衛星プロジェクトチームに配属。2012年日本総合研究所に入社。官公庁、企業向けの宇宙ビジネスのコンサルティングに従事。 現在は、コンサルティングと情報発信に注力。書籍に「宇宙ビジネス第三の波」、「図解入門業界研究 最新宇宙ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」など。テレビ、新聞、Webサイト、セミナー・講演も多数。Youtube:元JAXA職員、齊田興哉 Twitter:@rinocerontepad
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