人気イラストレーター・せんちゃさんがゆるかわイラストのコツを解説! - ワコム「夏のペンタブ集中講座」

沿って : Ilikephone / On : 24/05/2022

ワコムオンラインセミナーにて、せんちゃ先生がゆるかわイラストの秘訣を公開した

約60分にわたって行われたせんちゃ先生のオンラインセミナーでは、ライブドローイング中のPC画面が大映しになり、ツールの使い方や色の選び方を紹介。右下には先生の手元がワイプで表示され、ペンの握り方や筆の運び方までチェックでき、一般視聴者からのコメント、質問はMCを通じて先生に口頭で伝えられました。

最初に画面に映し出されたのは、線画の工程が終わり、さらに塗り分けまでしている状態のイラスト。今回、せんちゃ先生はワコムのペンタブレット「Wacom Intuos Pro」で、ソフトウェアに「ペイントツールSAI Ver.2」を使って、色塗りの工程を中心にドローイングを披露していきました。

「普段からSAIを使っています。加工したいときはPhotoshopを使うこともあります」(せんちゃ先生)。

はじめに塗り始めたのは肌でした。いつも肌から塗り始めるのか、とMCに問われると「特に決まりはなくて、いつもなんとなく描きたいところから描きます」とのこと。冒頭から、コメント欄には「かわいい」との書き込みが多数見られました。

序盤で注目を集めたのは、左手にペンを持ち、右手は常にマウスの上という独特のスタイル。せんちゃ先生いわく、「マウスはスポイト係です。右クリックで色を取っています。厚塗りするときもスポイト機能が活躍します。ショートカットでも良いのですが、私はマウスに手を添えるのがやりやすくて」。

また、消しゴムを使うときもショートカットを覚えるのが苦手ということで、左手でペンのテールスイッチを使っていました。「ショートカットを使うほうが良いとは思うんですが、覚えるのが苦手で、こうなっちゃいました。ずっと(ペンを)クルクルしています」とコメント。

これにはワコムの担当者も「珍しいですよね。(テールスイッチの消しゴム機能は)使う人が少ないので、うれしいです」と喜んでいました。

以下、配信中にせんちゃ先生に寄せられた質問と回答を、一問一答形式でまとめてみました。

―――線画の線と色に幅があるように見えるのですが?

「これは最近になって試していることなんですが、線画の上に明度を下げた線画をコピペして、今は薄く陰影を乗せています。陰影や明暗などの合成モードを使うと色が変わって、情報量が増えて良いかなと思うんです。線画は、ちょっとテクスチャを入れた粗めの線で描いています。そうするとアナログっぽさ、温かみが出るんですよね」

―――「手」を上手に描くには?

「写真を撮ると良いと思います。わたしも手を描くのが苦手です。全身鏡で映して、それを写真に撮って参考にしています。まずは正しい形を理解するのが大事。デフォルメを効かせるにしても、まずは正しい形を理解したほうが、納得のいく崩し方、描き方ができると思います」

―――髪を描くときに意識していることは?

「差し色を入れています。今回は、髪の裏側にピンクとか水色を入れました。色数が増えると情報量が増えて、1枚の絵を長く見てもらえるようになるかなと思っていて」

―――光に関しては?

「ざっくりと意識はしています。でも最終的に、かわいくなれば何でも良いかなと思っていて。(光源の位置などは)理解していたほうが良いとは思うんです。でも若干、無視しても、完成がかわいくなれば良いと思うところがあります」

―――パステルカラーをよくお使いですが、気をつけていることは?

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「色の数があまりに増えすぎると絵の印象がばらけてしまうので、例えば今回なら青、水色、ピンクと色数を絞って描いています。あとは柔らかい絵にしたいので、彩度の濃い強い色は使わないようにしています。色合いの加減が難しいので、私も悩みながらやっています」

―――一番時間がかかるのは、塗りですか?

「やっぱりラフですね。しっくりくるまで構図も何度も描き直すので、時間がかかります。色を塗る工程も、いつもなら結構、迷いながらやっています。今回は1時間しかないので、ラフの段階で色も決めていました。塗りは、ほとんどマーカーブラシでやっています」

―――イラストを描いていて楽しい瞬間は?

「ラフを描いているときがイチバン楽しいですね。頭も使うけれど『これでいこう』『かわいくなりそう』ということが分かったときのワクワク感が好きです」

―――今回は、どのようにイラストの題材を決めていきましたか?

「バストアップのイラストということ、そしてウサギとセーラー服を描きたい気持ちがあって。ベレー帽をかぶせるのが好きなので、それならと帽子もウサギにして。顔の周りをよく見てほしいので、頭にリボンとか小物をいっぱいつけて。あとは最近、手が大事だと思っていて、指先がかわいくなるようなポーズにしてみました。キャラクターをつくるのが得意ではないので、いつも要素を付け足し付け足し、しながらやっています」

短大に2年間通っていた、というせんちゃ先生。ただ、学校では(グラフィックデザイン科だったため)、立体や文字を使ったデザインなどもあり、「イラストの描き方」自体の勉強は少なかったと振り返ります。「当時の経験は、いまの自分の役に立っているとは思います。でも技術だけを学びたいのであれば、独学でも習得できる時代なので、学校には行っても行かなくても良いと思います」。学校に行ったことでプラスになったのは友達ができたこと、仲間がいるとモチベーションになる、と話していました。

ちなみに、イラストを描きはじめた当初は、もっと違う絵柄だったそう。「好きな作家さんが強い絵を描く人で、真似して描いてたんですがどうも上手く描けず、それから色んな絵描きさんの作品を真似していました。そのうち、自分なりの描き方が見つかって、いまに至ります」。

―――イラストを描き始めたころにしていたことは?

「デッサンをしていました。学生のときはネットに教材がなかったので、販売されている絵の描き方の本を見て、ずっと真似していました。最近では、SNSとかでも情報が得られますよね。それを見て勉強したら、イラストも上達するのではと思います」。

昔は紙の参考書を集めていたという、せんちゃ先生。いまはネットで調べれば色んな題材が出てくる時代、と話していました。

―――勉強したほうが良いと思うことは?

「人体の骨格ですね。人体系の参考書などを手に入れて、身体の構造、つくりを研究したほうが良いと思います。あとは、好きなイラストレーターさんがいたら、ここがかわいい、という部分を研究したりとか」

―――洋服を描くときに参考にしているものは?

「定期的に、ファッション系の雑誌を買っています。今の子たちが着ている服、ヘアアクセサリー、ピン止めなどを研究しています」

―――アイデアのストックはどこから得ていますか?

「雑誌を見たり、雑貨屋さんで描きたくなるようなかわいい小物を発見したり。Pinterest(ピンタレスト)などのWebサイトを使って、描きたいもののイメージを膨らませることもあります。『この要素を入れてみたい』というものを見つけたり」

そして、60分の尺をすべて使って塗りが完成。淡くて透明感のあるパステルカラーの、せんちゃ先生らしいかわいい作品が仕上がり、視聴者も大満足の様子。「お疲れさまでした」「癒やされました」「勉強になりました」といったコメントも寄せられていました。せんちゃ先生は「少しでも参考になっていたらうれしいです」と最後まで謙虚なコメント。

十分仕上がっている印象ですが、後日、少し加筆したものが完成イラストとしてアップされていました。

現在もアーカイブは公開されているため、興味を持った方はぜひ、せんちゃ先生の実際の作業を見てみてください。また、動画の概要欄にはワコムストアにて「ペンタブレット、液晶ペンタブレット製品」がお得に購入できるクーポンと、Live2D Storeにおいて「Live2D Cubism」の購入時に使えるクーポンが配布されていますので、こちらも要チェックです(クーポン期限はいずれも2021年8月31日まで)。