Web会議を想定した音声テスト。どれが一番聞きやすい?
さて、SNOWBALLとYeti Xとで、ハードウェアと指向性による聞こえ方の違いはどれだけあるのだろうか。ノートPC(MacBook Pro 2016)内蔵マイクや、普段Web会議に使っているアクションカムとも比較してみることにした。
比較用に使ったMacBook ProとアクションカムSNOWBALLを使ったテスト時の状況としてはこんな感じ
最初はZoom会議で確かめてみる。近くでは2台のデスクトップPCとエアコンが動いており、連続的なファンノイズが混じっているはず。多少はZoomの背景雑音の抑制機能(「低」設定)で低減されているかもしれないが、どうだろうか。
ノートPCのマイク、SNOWBALL、Yeti XでZoom会議テスト
・元データ:sample_webmtg.mp4(204.00MB)
ノートPCの音声は、ある意味耳慣れた「Web会議らしい」音質のように思える。聞こえにくいことはないけれど、室内の反響音らしきものも聞こえる、特段いい音とも良くない音とも言えないもの。キーボードを叩いている音は、マイクが近いこととそもそも筐体でつながっているため、はっきりとしたノイズになっている。
「SNOWBALL(無指向性)」になると、明らかに音質が向上していることがわかる。よりリアルな声質を再現し、聞き取りやすさも一段上だ。ただ、無指向性ということもあって背景のファンノイズがやや入り込んでいる。打鍵音もノートPCのマイクほどではないとはいえ、目立つ。
「SNOWBALL(単一指向性)」は、背景のファンノイズがほぼ消え去り、声だけがクリアに聞こえる。キーボードの打鍵音もかなり低減されているようだ。マイクはキーボードと筆者の間にあるため、単一指向性のメリットがよく活かされている。
次の「単一指向性の-10dB」は、その前の単一指向性の音をただ小さくした、という感じではある。が、キーボードを叩き始めるところから音量が通常のボリュームくらいにまで上がっている。これは、おそらくZoomの音量自動調整機能が働いたものと思われる。Web会議目的では-10dBにする意味はあまりなさそうだ。
SNOWBALLを使ったテスト時の状況
「Yeti X(無指向性)」は、SNOWBALLよりもさらに音の解像感が上がっている。くっきりした声でさらに聞き取りやすさが増しているが、無指向性のため室内の反響音が少し混入している。これが「Yeti X(単一指向性)」になると、周囲のノイズや反響音がほぼなくなり、声の明瞭さだけが残る。ただ、キーボードの音はSNOWBALLほどは低減されていないようだ。机の振動を拾っているような音もあるので、スタンドの下に防振マットを敷けば少し改善できるかもしれない。
「Yeti X(ステレオ)」は、空間の雰囲気が伝わってくるような音質で、部屋の広さまでもがわかりそうなほど。こういった1人の声だけだとメリットがわかりにくいところもあるが、楽器や周囲の音も含めて録音するようなときは抜群にいい音を再現してくれるはず。
最後のパターンは「Blue VOICE」のプリセット「Broadcaster 2」を使用した
そして最後の「Yeti X(Blue VOICE)」は、より一層声のエッジが立ったような聞こえ方だ。たしかに「何を言っているか」がわかりやすくなっているとは思うけれど、多少の「作った声感」も拭えない。このあたりは好みにも左右されそうだが、Web会議用途で明瞭さを重視するのであれば、このモードが役に立つことは間違いないだろう。