普段スマホを使っていて、「なんか目が見にくいな」ということがある。 たとえば通勤電車でSNSを眺めていて、ふと車内に目をやるとピントが合いにくかったり。あるいは夜ふかししゲームにハマった翌朝、目がゴロゴロしていたり。まばたきしにくかったり、充血していたりすることもあるはずだ。
これらはどうやら「疲れ目」らしい。スマホが世に出て10年ちょい、多くの人が昔より確実に長時間使うようになったはずだ……と思っていたら面白いデータを見つけた。
博報堂メディア環境研究所が調査した「メディア定点調査2019」のデータである。このグラフは、そのなかの「メディア総接触時間の時系列推移」。私たちがメディアに接してる時間がどのように変化しているかを時系列で並べている。
※メディア総接触時間は、各メディアの接触時間の合計値。各メディアの接触時間は不明を除く有効回答から算出。※2014年より「パソコンからのインターネット」を「パソコン」に、「携帯電話(スマートフォン含む)からのインターネット」を「携帯電話/スマートフォン」に表記を変更※タブレット端末は2014年より調査出典/博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所による「メディア定点調査2019」より抜粋
グラフの「紺色」部分は「スマートフォン/携帯電話」を表している。「スマホ元年」といわれる2008年と比べると、約6.6倍。1日あたり100分増えている。直近の3年でも毎年約10分ずつ上積み。他のどのメディアもこれほどの伸び率はない。
そんなわけで、眼科のお医者さんに「スマホを使いすぎると疲れ目になるのか」を聞きにいった。スマホは目に影響を与える可能性があるのか? 目が疲れたときの対処方法は? どんなふうにスマホとの付き合えば、目が疲れにくいのか?
今回、話を聞いたのは日常的な目のケアについて積極的に発信し続けている眼科医の平松類先生。最新の緑内障治療の研究にも長く携わっている。
二本松眼科病院勤務、目に関する情報を発信し続ける平松類先生
さて、そもそもスマホは疲れ目の原因になるのだろうか。「確かにその傾向はあります。スマホはパソコンやタブレットなどと比較すると画面が小さいこともあり、目との距離が近くなりがちです。これだけでも目に疲労が蓄積する可能性があるのです」
では、「疲れ目」とは一体、どういう症状を指すのか。「疲れ目は、医学用語ではないので、厳密な定義はありません。一般に目の疲労の総称で、『目に疲労を感じた状態』を差します」
先生によると、「疲れ目」の症状や原因は大まかに次のように分類できるという。